第三十七話 夏祭りその四
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「全くねえ、景子ちゃんには参ったよ」
「参ったよっていうかもっとれっきとした商売したら?」
「れっきってここに店を出してる奴は皆真面目だよ」
「じゃああんな如何にも駄目っていう賞品出さないでよ」
「ひょっとしたら倒れるかも知れないだろ」
「あんなのゴルゴじゃないと無理でしょ」
流石にこのキャラクターなら、というのだ。
「じゃあ連れて来る?ゴルゴ」
「ふん、今世界の何処にいるんだよ」
「何かとある国以外にはいるらしいけれど」
ある国とある国が関わるとその仕事は受けないという噂がある、この世に出てかなり経つがその国々のことは作品世界にも名前すら十巻に一度も出ないらしい。
「まあとにかく。こんなのね」
「これが射的なんだよ」
「まあね。射的はそんなものだからね」
「これでいいんだよ」
おじさんは遂に居直りだした。
「商売ってやつなんだよ」
「こういうことだからね」
景子はおじさんとのやり取りを四人にここぞとばかりに紹介した。
「気をつけてね」
「というか景子ちゃんテキ屋さんに詳しいのね」
「だって。神社のお祭りにはいつも出るでしょ」
「だからなのね」
「元締めさんともお話することあるし」
そうしたこともするというのだ、神社の娘として。
「表も裏も知ってるつもりよ」
「その裏が気になるわね」
「結構やばいお話もあったりするから」
景子のその整った顔にさっと陰が入った。
「ここでお話しないからね」
「おっと、その話は止めてくれよ」
おじさんもこの話題は止めてきた、先程とは雰囲気が違う。
「舞台裏は話さないのが礼儀だからね」
「そうね、じゃあ」
「そういうことでな」
こうしてテキ屋の裏の話は内緒ということになった、琴乃はとりあえず古いゲームソフトを三つ手に入れた、そしてだった。
次は水ヨーヨーを釣った、こっちは五人一人ずつ手に入れた。そうして。
いよいよお目当てだった、里香がこう皆に提案した。
「皆それぞれ買うものを決めて」
「それでどうするの?」
琴乃がその里香に問う。
「私が焼きぞば買うとか決めるのね」
「そう、焼き鳥とかね」
それを決めてだというのだ。
「数は五人分ね」
「あっ、それで一度に集めてなのね」
「そう、それで食べよう」
これが里香の提案だった。
「何処か適当な場所でね」
「お酒も用意してよね」
「お酒はあそこにあるわよ」
景子はすぐ傍の屋台を指差した、そこでは巫女さん達が来る人達にお酒を差し出していた。
「御神酒ね」
「豪快ね、一升瓶一本渡してるじゃない」
「お供えが多いから」
こう琴乃に答える。
「だからなの」
「ああして一本全部なのね」
「欲しい人はね。ただね」
「ただっていうと?」
「一升瓶は一人一
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