十三日目 十二月三日(土) 後編
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三叉の槍を構えるキャスター。だが天から何物かが飛来し、二人の間に入った。大蛇の身体の上に立ち、赤い槍でバーサーカーに打ちかかる。
「こいつの相手は、一人だときついぞ、キャスター」
「ランサーじゃないの!」
「セイバー手伝え、二人でこいつを止めるぞっ」
戦いを傍観していたセイバーが顔に難色を浮かべた。だが肩をすくめると、ランサーの下に飛んで来た。
「おお、セイバー、恩に着るぜ」
「キャスター、貸しにするわよっ」
それだけ言った後、セイバーはバーサーカーに神速の剣舞を叩き込んだ。
「はぁい、ひびきちゃん、助けに来たわよぉ」
砂浜でサーヴァントの戦いを見届ける二人のマスターの下にも、新しいマスターが現れた。輝日東の女神、森島はるかだ。
「はるか!?」
「先輩、どうして!?」
驚愕する二人を見て、はるかがグーサインをする。
「ふふふっ、ランちゃんとね、探偵ごっこをしてたのよ。あの黒いマントの子を探してたの。ランちゃん、なんだか気になるんだって」
三対一のバトルは、留まる事を知らないのか、どんどん激しくなっていった。今やキャスターは、ランサーとセイバーのサポート役も兼ねている。ランサーの海上での足場を、キャスターが作った。そのお陰でランサーは海の上であっても自由自在に動けていた。ランサーとセイバー、二人の名手の波状攻撃が、バーサーカー相手に繰り出される。
「……やはり、勘違いではないのかっ」
バーサーカーと切り結ぶ中、ランサーの顔が歪んだ。
「キャスター、セイバー、仮面を狙うぞ!」
「どうしたの!?」
「正体に心辺りがある。確かめたいっ」
「解ったぜ、大将!」
キャスターが無数の光弾をこれでもかというくらい、バーサーカーに向かって打ち出す。ランサーとセイバーが、被弾するのも気にせずに一旦距離を置く。セイバー、ランサーのスキル〈対魔力〉が、キャスターの光弾を無効化するからだ。バーサーカーには〈対魔力〉は無い。
光弾の弾幕が、バーサーカーにぶち当たる。眩い光が何度も瞬き、狂戦士の動きが一瞬止った。だがダメージを与えられているようには見えない。しかし、ランサーとセイバーがバーサーカーの前後から迫る。ランサーの紅い槍が、フルフェイスの紅い兜に狙いを定め、繰り出される。だがバーサーカーの燃え盛る剣が、紅い一撃を弾く。ニ撃目の黄槍は、間一髪でかわされ、直後ランサーの腹に燃える拳が叩きこまれた。拳の先から爆発が起こり、ランサーが吹き飛ばされる。
後ろから紅い兜に向かって、剣を振り降ろすセイバー。だが身体を屈めたバーサーカーが振り向き、灼熱の剣で攻撃を受け止める。今度は剣が爆発し、セイバーが宙に浮く。反撃をしようと立ち上がったバーサーカーは、しかし何かを感じ、背後を見た。先ほど吹き飛んだ筈のランサーが、もう
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