一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
終わりのプロローグ
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い踊り場なのだから一人を押しただけで逆に鏡の表面に触れてしまう。触れた場所はまるで水のようになっていてそのまま腕から入ってしまう。
「なっ!?」
驚くが冷静さはまだあったようでそのまま手すりを掴んで何とか堪える。
「痛いよゲツガ君〜、いきなりって……えっ?」
打った部分をさすりながら振り向いたユキは今の状況を見て一瞬思考が止まったかのように固まった。
「な、何この鏡!」
「ユキ、とにかく離れてろ」
鏡の中で誰かが引っ張っているのか、ずずっと体が少しづつ鏡の中に吸い込まれていく。いくら握力などが強くてもこの強い力で引っ張られていると腕に乳酸がたまり、握力が弱くなっている。
「ゲツガ君!」
「ユキ、お前まで巻き込まれる!」
近づこうとするユキに離れるように言う。しかし、ユキは自分を助けようとおろおろするばかりだ。
そして、手にあまり力が入らなくなった瞬間を狙ってなのか強い力で一気に引っ張られた。手すりから手が抜けてそのまま鏡の中に吸い込まれた。その場所には水のような波紋が広がる。
「ゲツガ君!!」
ユキもその後を追うように手を伸ばしたがその鏡はそれ以上の侵入を拒むかのように水のような波紋を止めて、もとの鏡の状態に戻った。
ユキの手は鏡の中に吸い込まれることは無くガラスの部分に弾かれる。
「……ゲツガ……ゲツガ君!!」
大切な人の名を読んだが返事は帰ってくることも無い。ただ、その鏡には悲しそうな表情をする自分の姿しか移っていなかった。
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