6話
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たんだが、俺狙いのヤツは結構多いらしい。事実その三人の内一人は俺を狙ってたらしい」
「……キンジさん『狙い』の?」
「そう、俺狙いの」
ふふ、これでさしものレキも反論できまい、とキンジはしたり顏をしてやった。
なんだか頬に突き刺さるドラグノフが天元突破しそうな勢いになっている気がするが、恐らく気のせいだろう。
もしかしたら、キンジがモテるという事実をどうにか論破してやろうと必死で思考を巡らせてるのかも知れない。
「キンジさんキンジさん。その女子は『キンジさんを狙っている』と言っていた。それに一文字も違いはありませんね?」
「うーん。一文字もかは分からんが、多分そうだな」
「……キンジさん。ここがどこだか忘れたのですか?」
「ん?狙撃科棟だろ?」
「まだ分からないんですか?……はあ」
珍しくレキが嘆息した。まるで、察しの悪いキンジを責めるようだ。
「な、なんだよ」
「ここは狙撃科なんですよ。そして彼女はあなたを『狙って』いる……」
意味深な言葉に、キンジはしばし考え、そして、ようやく理解した。
「え、ま、まさか……」
「そう、あなたは狙撃のターゲットにされているのです。それも沢山の女子から」
「な、なんだってぇー?」
衝撃の事実。驚天動地。前代未聞。そんな言葉がキンジの脳内を過った。
「おかしいと思いませんか?今まで全くそんな素振りは無かったのに、恋愛感情を持っていたなんて」
「言われてみれば、確かに」
「つまり、狙っているというのは恋愛的な意味ではなく、あなたを撃ち抜こうとしていますよという意味です」
「そ、そんな……俺の勘違いだったのか。なんて恥ずかしい勘違いだ、これじゃあまるでナルシストだ」
「気を落とさないで下さい、キンジさん。間違いは誰にでもあります。それにキンジさんは実際かっこいいですよ」
にこ、とレキの無表情だった口元が僅かに笑みの形になった。
傷心のキンジには、何より美しい天使の微笑みに見えたとかなんとか。
「れ、レキー!そう言ってくれるのはお前だけだ!(白雪は除く)」
がし、とキンジが喜びをハグという形で表し、レキは、
(計画通り)
にや、と小悪魔的な笑みを浮かべていた。
武偵高の昼休み。本日は割と平和である。
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