第81話 罠
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てしまった。
分かれたカプセルは回避した直後の二人の真横に舞い降りる。
「!!!」
気付いた時には既に二人もまたカプセルに囚われる事となってしまった。これで残りはシャマル、はやて、そして仮面ライダーBLACKRXだけとなってしまった。
「シャマルさん、このままじゃ全滅だ! はやてちゃんを連れて此処から逃げてくれ!」
「そんな、光太郎兄ちゃんはどうするんや!?」
「俺が此処で戦って少しでも時間を稼ぐ。今の内に早く!」
「そんなの嫌や! 光太郎兄ちゃんを残して私達だけ逃げるなんて絶対に嫌や!」
「頼む、今は逃げてくれ! 此処で皆捕まってしまったら、それこそ全てが終わってしまうんだ!」
光太郎の悲痛な叫びが木霊した。これ以上犠牲者を増やしたくない。今此処で全滅してしまえば、それこそ全ての終わりを意味しているのだから。
だが、それを分かっていてもはやては逃げる気になれなかった。大切な仲間、大事な家族が次々と殺されたのだ。それなのに自分一人だけ逃げるなんて出来ない。そう言いたかったのだ。
そんなはやての頭上にカプセルが迫る。
「危ない、はやてちゃん!」
咄嗟にシャマルがはやてを押し退かせる。その直後、シャマルもまたカプセルに囚われてしまった。
「シャマル!」
光太郎とはやての目の前でシャマルまでもが捕えられてしまった。
「こうなったら……ライドロン!」
光太郎は声を張り上げ、ライドロンを呼ぶ。真紅の車両ライドロンが風を切るかの様な速度で姿を現した。
「光太郎兄ちゃん? ライドロンなんか呼んでどないするんや?」
「はやてちゃん、御免!」
光太郎は咄嗟に、はやての腹部に拳を当てた。手加減はしたがその一撃によりはやての意識を断ち切る事は容易かった。
意識を失い、ぐったりとなったはやてをライドロンに乗せる。
「ライドロン、彼女をなのはちゃんや甲児君達の元へ連れてってくれ!」
指示を受け、ライドロンは自動で移動を始めた。こうして、残ったのは光太郎只一人となった。
「後は、俺が此処で踏ん張るだけだ!」
決意を胸に、リボルケインを抜き放ちヒッポリト星人と向かい合った。
【やれやれ、一人逃がしてしまいましたか。まぁいいでしょう。楽しみは長く続いた方が楽しいですからね】
「お前の思い通りに行くと思うな!」
声を張り上げて、RXは走る。たった一人残した希望を守る為に。
数刻後、黄土色の荒野の中に更に多くの銅の像が出来上がっていた。
その像は人々の希望をへし折る象徴となるには充分な代物であったと言える。
果たして、それは人類の滅びを現しているのだろうか?
それを知る術は、誰も持ち合わせていない。
つづく
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