暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
三十六話:お父さんとドーラちゃん
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もそれも私のせいじゃ無いし、私の記憶をしっかり消すなりきっちり無垢な魂を選んで入れるなりしなかった神的ななにかが

「おとうさんは、すごい、ひとです!わたしが、わるいんです!」

 つってもそんな説明もできるわけが無いしなに言ったら子供らしいのかわかんないっていうか子供らしくフォローするためになに言ったらいいかもはやわかんないっていうか

「わたしが、おとうさんのいうことを、きかないから!おとなしく、してないから!」

 そうだよもうおかしなこと考えないで黙って守られてりゃ良かったんだよそれで丸く収まるならもうそれでも良かったじゃんヤバい涙出てきた泣いちゃう?いっそ泣いて誤魔化しちゃう?いやいやしてどうするよそうじゃなくてフォローが、フォローがががが

 と動揺し過ぎて思考が崩壊し始めた私に、パパンがまた困ったように笑って。

「……言い方が悪かったな。喜んでいたんだ。ドーラは、しっかりとした、いい子に育っていると」

 え?なんですか?喜んでる?まさかこの人を被虐趣味に目覚めさせるなんて私はそんな罪深いことを

「情け無くても、ドーラの父さんは、父さんしかいないんだからな。つまらないことを言って、悪かった。ドーラが、父さんの娘で、良かった」

 ……はっ!

 危ない!
 衝撃のあまり、崩壊を経由しておかしな方向に暴走しかけてた!

 えっと、つまり、なんですか?
 結果、良かったの?

「もう、大丈夫だ。次からは、邪魔をさせなくてもいい。お前も、ありがとうな」

 そう言って歩み寄り、モモを撫でるパパン。

 ……大丈夫でしたか!

 焦った!
 マジ、焦った!
 取り返しのつかない罪を、犯してしまったかと思った!!

 こういう生死に関わらない部分は、チートの書にも書いてないんだよねー……。
 いや、わかるよ、私でも、書かないと思うよ?
 でも心臓に悪すぎですよ、これは。


 などという、今回生まれてから経験した中で最凶の衝撃から回復しようと努めつつ、衝撃の中でうっかり聞き逃しそうになったパパンの言葉を思い返します。

 ドーラが、父さんの娘で、良かった。

 その言葉に、さっきの強い衝撃とはまた違う、鈍い衝撃を感じて。

 あなたの可愛いドーラちゃんの中身は、こんな汚れ切った大人なのに。

 良い子で可愛いドーラちゃんを演じると決めたのは私なのに、今さらながら、娘として愛してくれる人を、騙している重みを感じて。

 ……本当に、今さらだ。
 不意打ちの衝撃で、心に隙ができただけだ。
 この人が、心からそう思ってくれてるなら。
 そこまで、上手くできてたなら。
 最後まで、きっちり演じ切ってやる!



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