崑崙の章
第15話 「それで、私はどうしたらいいのかな?」
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精鋭だった。
その力量は既に官軍の正規兵よりも精強である。
その上、士気は主である劉備が前線に立つ事により、最高潮といってよい状態だった。
それは関羽や張飛、馬正においても同様だったのである。
「桃香様に傷一つ負わせてなるものか! 黄巾の獣ども! お前らなど我が青龍偃月刀の錆にもならん! さっさと死んでしまえ!」
「お姉ちゃんには、指一本触らせないのだ! うりゃりゃりゃりゃぁーーー!」
「我が主より託された劉備殿を傷つけては、主に面目が立たぬ! なんとしても後方に抜かせるな!」
それぞれが剛将と呼んでも過言でない力量……特に関羽と張飛は個人でも大陸有数の武将である。
その力は、賊となった黄巾など舞い落ちる枯葉に等しかった。
四方から包囲するように押し込めた賊を、次第に圧迫していく。
そして夕陽が完全に沈み、外壁の上に灯火が灯る頃。
全ての賊を打ち倒し、歓声に沸く外壁の民達の声援を一身に受け、劉備は剣を掲げた。
「黄巾の残党は悉く打ち倒しました! この劉備とその臣がいる限り、漢中への横暴は許しません!」
その宣言は、時を置かずして周辺諸侯へと知れ渡るのである。
―― 盾二 side 嘉陵周辺 ――
巴郡を旅立って、早五日。
道中の雨で少し予定が遅れながらも、ようやく辿り着いた。
「あそこが目的の場所じゃな」
道を案内してくれた人のいい農家のおっちゃんが、指で指し示す。
その指の先にある霊峰ともいえる山々を見て、俺は感嘆の息を漏らした。
「あれが……」
ミニヤコンカ……世界最高峰ともいうべき堅峰。
二十一世紀でも登頂に成功したのは二十名足らずであり、発掘に携わったアーカムの調査隊にも多数の行方不明者を出した魔の山。
あそこに……あるはずだ。
そう……
「于吉が言った……仙人界への入り口が」
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