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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第15話 「それで、私はどうしたらいいのかな?」
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。いまなら、まだ間に合います」

 そう言う女性の言葉と雰囲気に、思わず剣を取り落としそうになる。
 だが……男にとって残念だったのは、すぐ傍に頭目がいた事だった。

「ざけんな! どう見ても、たかが二千程度しかいねぇじゃねぇか! 後ろはかまうな! 漢中に入って、奪えるもん奪え!」

 その言葉に、はっとして剣を握りなおす。
 周囲の賊も、思い至ったように剣を握りなおして、丘を駆け下り始めた。  

 次第に近づいてくる黄巾の残党。 
 女性――劉備は無念そうに目を閉じた後、剣を抜いて眼を開けた。
 その眼は――覚悟を決めた瞳だった。

「弓隊、放て!」

 距離にして一里(五百m)を割り、剣を持った賊の血走った形相が確認できる距離。
 劉備の言葉に、並んだ兵が一斉に矢を放つ。

 その矢は放物線を描いて、先頭集団へと降り注いだ。
 だが、二千の矢とはいえ、相手は五千。
 しかも遠弓では届かぬ矢も多く、一斉射で打ち倒せるものではない。

「殺せぇ!」

 頭目の言葉に、距離を詰めようとする賊の集団。
 だが――

「いまだ! 関羽隊、突撃!」
「馬正隊、出るぞ!」

 城の外壁、その両端から関羽と馬正が率いる、それぞれ一千の兵が飛び出した。
 その兵は全員が騎馬に乗っており、その勢いのまま賊の先頭へと左右から突進しようとする。

「さらに伏兵だと!?」

 思わず先頭集団の足が止まる。
 さらにそこに矢が降り注いだ。

「ぎゃっ!」
「があっ!」

 突出していた先頭集団と弓矢隊の距離は、先程の三分の一。
 距離にしておよそ五十丈(約百六十五m)ともなれば、放物線を描く弓でも十分な殺傷能力のある距離である。
 先程とは比べ物にならない矢傷を負って倒れていく仲間に、頭目が怯んだ瞬間。

「鈴々を忘れてもらっちゃ困るのだー!」

 丘の後方から張飛率いる歩兵隊が、後方を遮断するように圧力をかける。
 そして先頭集団にも、関羽・馬正の騎馬隊が蹂躙した。

「ひ、ひぃっ!?」
「馬で轢き殺してかまわん! 叩き潰すのだ!」
「馬正隊に遅れをとるなよ!」

 背後を攻撃され、前方からの二隊による騎馬隊の突撃に、堪らず左右へと散ろうとする賊たち。
 だが、そこへ劉備の弓矢隊の端にいた孔明と鳳統が叫ぶ。

「右翼弓隊! 右へ逃げた黄巾に一斉射! すかさず抜剣してその先端に突撃します!」
「えっと、左翼弓隊、左に逃げた黄巾さんに一斉射して、剣を抜いて先端に突撃……首もいじゃってください」

 二人の苛烈な指示が飛ぶ。
 一斉射の後に放った弓を放り捨てて、剣を抜剣する元警備兵の弓兵達。
 彼らは、宛から劉備たちに同道し、鍛え上げられた関羽、張飛、馬正隊の
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