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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十五話 破滅の閃光   ★
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 右手から深紅の槍が、その深紅の槍を追う様に左手からは先と同じ三本の黒鍵が

 闇の書は士郎の追撃をこのままシールドを展開して防ごうとする。

 もし、なのは達ならそんな事は絶対にせず、避けようとしただろう。

 放たれた深紅の槍の銘は『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)

「何……だと」

 魔術を打ち破る魔槍は闇の書のシールドを紙屑のように突き破る。

 そして、ゲイ・ジャルグは闇の書の顔の横を数本の髪の毛を切り裂きながら、地上に向かって落ちていく。

(今の槍、シールドを破壊するために)

 穴が開いたシールド。

 どんなに強力なシールドでもこうも穴があいては構成の強さを維持できるはずもない。

 そして、黒鍵の衝撃に耐えられずに砕け散るシールド。
 それでもなお、体に魔力を纏い防御する。

 だがそれも士郎の計算のうちである。
 なのは達の魔法のような非殺傷設定が存在しない魔術にとっては相手の肉体を傷つけないように戦う事が一番厄介な事になる。

「がはっ!」

 だからこそ闇の書の防御の速さを信じて黒鍵を投擲したのだ。

 貫通こそしなくても鉄甲作用で投擲された黒鍵の衝撃は凄まじく、なんとか姿勢を整え、アスファルトを滑りながら地上に着地する。

 そして、闇の書が再び士郎に視線を向けた時には既に士郎は足場となる鎖から踏み込んでいた。

 魔力放出による踏み込み、さらに靴にはタラリアを纏い、重力の恩恵を受けて加速する。

(半端な距離はさらに危険か。
 とはいえ将とまともに剣を交わせる者相手に近接戦を挑むのも考えものか)

 士郎の魔力放出を使った踏み込みの速さに、闇の書は戦い方を変える事を選択する。

 中途半端な距離では一瞬の隙で踏み込まれる。
 かといって近接戦闘ではシグナムと正面から戦える士郎ではそれも難しい。

 士郎の能力を考えるなら遠距離戦も正しい選択ではない。
 いや、なのは達なら多少危険でも遠距離戦は避けるだろう。
 フルンディング、ゲイ・ボルクなど遠距離の宝具の開放を目にした事があるのだから。
 だが、闇の書の持っている士郎の情報が少ない。

 なぜならシグナムやザフィーラの記憶はあくまで模擬戦。
 魔力を使わない純粋な技術である。

 そして、士郎がこれまでシグナム達と戦闘をした事がないため本当の力を知らないのだ。
 唯一の情報はシャマルが見ていた仮面との戦い、リンカーコアから読み取れた記憶などがあるが、あまりに不完全であった。

 仮面との戦いでは士郎は本気を出しておらず、リンカーコアの記憶は士郎の印象となった記憶は見えたが、魔術などはあまりに異質過ぎた。
 なのはやフェイトの記憶にも魔術の記憶はあるが、あまりに体
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