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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十五話 破滅の閃光   ★
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イプニール、羽ばたいて」
「Sleipnir.」

 黒き翼が一回り大きくなり、空に上がる闇の書。

「空には上げさせん」

 干将・莫耶を捨て、ライダーの鎖付きの短剣を外套から取り出すよう投影し、鎖を腕に絡めようと投擲する。
 だが鎖を受け止め握る闇の書。

 まずい。
 このまま引かれれば俺が足場を失う。

「ちっ」

 短剣の方も投擲し、先ほど手放した干将・莫耶を蹴りあげ握る。

 鎖を放し、短剣を避ける闇の書。

「「はあっ!」」

 その隙をつく様にアルフとユーノのバインドが手足をの動きを封じる。

「砕け」

 だが闇の書のその一言でバインドが砕ける。
 解析して破壊したのか、それとも膨大な魔力で破壊したのかは知らないが、こうもあっさりと壊すとは

「Plasma smasher.」
「ファイア!」
「Divine buster, extension.」
「シュート!」

 それでもわずかだが無防備な姿をさらしたのは事実。
 左右からフェイトとなのはが砲撃を繰り出すが

「盾」
「Panzerschild.」

 それすらもあっさりと防ぐ。

 だが砲撃を防ぐために両手は盾の維持に使われている。

「はあっ!!」

 魔力放出で跳躍し、接近を試みるが

「刃以て、血に染めよ」
「Blutiger Dolch.」
「穿て、ブラッディダガー」

 赤き刃が閃光となり、なのはとフェイト、そして俺に迫る。

 干将・莫耶で叩き落とす事はできる。
 しかし、今までの戦闘経験がそれをするなと警告する。

 外套から取り出すようでは間に合わない。

「―――投影、開始(トレース・オン)

 干将・莫邪を捨て全身を守れるようにバーサーカーの斧剣を握り、壁にする。

 その選択は間違っていなかった。

 赤き刃は直撃と同時に爆発し、俺達を呑み込む。

 爆風の中からなのはとフェイトが出てくるが、巧く防いだ様で怪我はしていないようだ。

 俺も斧剣でなければ爆発をまともに喰らうところだった。
 その一瞬の安堵が隙を生んだ。

 元いたビルの屋上に着地しようとする俺に

「捕えろ」

 両手に桃色のリング、両足に金色のリングが俺の動きを封じる。

 闇の書の両手にあるのはベルカ式の三角形の魔法陣じゃなく、ミッド式の桃色と金色の魔法陣。

 なのはとフェイトの魔法、蒐集の際にコピーしたのか。

「ふっ!!」

 空中に捕らわれた俺に拳を振り下ろさんと迫る闇の書。

「ッ!―――同調、開始!」

 纏う戦闘服と肉体に即座に強化をかける。

 爆音とともに屋上を突き抜け、叩きつけられる。


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