時空の狭間で
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オレの体を彼女の魂が優しい光で包む。それは温かく心地が良く安心できた。
『和也さん、そろそろ。』
「わかりました。」
名残惜しいが時間切れのようだ。女神の掌にエリカの魂を移すが、オレの目は彼女の魂をずっと見つめる。
「エリカ、また逢えたらいいな。」
『絶対に逢いに行くよ。待ってて。』
「ああ。」
一際強く輝いた彼女の魂は女神の掌の上で残滓を残さず消えた。だが、消滅した訳ではないはずだ。
『時として魂は元の世界に戻ることもあります。あなたはそれに賭けますか?』
「賭けてやるさ。どんなに可能性が低くてもな。」
女神は口角をわずかに上げる。
『心残りは無いですね。』
「暫くは皆の喪に服すよ。」
『よろしい。では、』
再び世界は白く染まり意識が暗転する。
見慣れた天井、ポムレイ消滅から一週間、隣町の宿に長期滞在していたオレは気持ちを新たに歩き出そうとしていた。
「エリカ……。」
オレは、行くよ。悲しみを力に変えて。可能性を信じて。
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