五里火中
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いからきっと外の人間なんだろう。オレだって外の人間だがあの町に愛着も湧いたから離れたいなんて思いもしなかった。
そうだ、エリカを連れて避難しよう。
だが、今日は運がついてない。
山の崖が崩れたのだ。瓦礫を巻き込みながら吹き出る黒い火山ガスは史料で見た火砕流にそっくりだった。しかも街の方に流れている。山から町まではわずかに10qほど。間に合わない。
幸いオレがいる丘の方には流れてこなかったが、火砕流は轟音を立てて街を流していった。粉塵が辺りを覆い何も見えない。
空は黒く濁り、夜のように暗い。晴れた時には町は灰色に塗られ所どころで火災が発生している。
人の息吹も感じられない。
「うそ、だろ……?」
目の前で起こった光景は史料でしか見たことのないポンペイのようだった。ギリシャの古代都市ポンペイ、確かあの街はポムレイ。どこか似ている、地理条件も似ている。これは必然だったのか?
どうなんだよ、神さんよぉ……。
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