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星の輝き
第10局
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。院生は基本名字で呼び合っていたからだ。まあ、自分が年下なのは確かだし、違和感を感じただけで、別に文句があるわけではなかったのだが。
「あ、いや、オレ小六だよ。たぶん年下かな。ちょっとびっくりしただけ。好きに呼んでくれて構わないよ。まあ、手加減っていうか、ちょこっとね。」
「やっぱり年下だよね。私は中二。私のことも好きに呼んでくれていーよ。明日美ちゃんでもいーんだよ?」
 ちょっといたずらっぽく笑いながらそう告げる奈瀬。

「いやー、でもホントに強くてびっくりした。プロに弟子入りとかしてるの?」
「そんなんじゃないよ。奈瀬さんも強かったよ。奈瀬さんこそプロ目指したりしてるの?」
「うん。これでも院生なんだよ。あ、院生ってわかるかな。プロ予備軍みたいなところで勉強してるんだ。」
「知ってるよ、そっか、院生なんだ。」

―そっか、奈瀬はもうこのころから院生だったのか。
―ヒカル、知り合いだったのですか?
―ああ、前の時に、院生仲間だったんだ。まさかこんなところで会うと思ってなくってさ、びっくりしちまった。
―なるほど、この子もヒカルと縁のある子でしたか。
「でも、ほんとびっくり。ヒカル君みたいに強い子がいるなんて。プロの先生に指導碁打ってもらってるみたいだった。それになんていうか、すっごく気持ちいい碁が打てた。負けちゃったのが気にならないくらい。なんでだろ、なんかすごかった。」
「あー、いや、その、どうも。」
 奈瀬は、本気で感動していた。こんなところで退屈しのぎに始めた碁でここまで感動するなんて、自分でも驚きだった。

「なんか最近碁を打ってて行き詰まりを感じるっていうか壁にぶつかってるような感じだったんだけどさ、なんかヒカル君との碁で、その壁を乗り越えられそうな気がしてきた。」
 奈瀬は目を輝かせてヒカルに詰め寄ってきた。
「いや、それって、おおげさじゃないかなぁ?たまたまのまぐれなんじゃないかなぁ。」
「とーんでもない、まぐれなんかでこんな碁が打てるもんですか。ヒカル君の碁はね、なんていうか、私の石を引っ張ってくれるっていうか、導いてくれるような感じだった。」

「…オレの碁が、導く?」
「そう!プロの先生に打ってもらった時もこんな感動しなかったもん!間違いないよ、君には碁の才能がある!それもすっごい才能が!」
「いや、ははは、ありがと。」
―オレの碁が、導くか…、考えたこともなかったな。
―いい碁でしたよ。彼女がそう思うのも不思議ではないです。今の一局、間違いなくヒカルが彼女を引っ張ってましたよ。
―そっか…。
 思ってもいなかった言葉をかけてもらい、思わず考え込むヒカル。

「ね、プロ目指しなよ、君ならなれるって!」
「いや、今はまだまずいんだ。」
「今はまだまずい?」
 屈託のない奈
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