第三十二話 闇の書
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い。
(どうして、この子ははやてちゃんのことを知ってるの!?)
私の心を読んだように、彼女は言う。
「ああ、気にしないで、彼女のことは前から知ってただけ、ある時期から急に三人と一匹が増えたから、多分そうなんだろうなって」
(つまり、彼女ははやてちゃんの知り合いで、私も知っている人ってこと!?)
私は記憶を探るけど、出会った人が多すぎて特定できない。
それに彼女が変身魔法を使ってないという確証もない以上、彼女の姿をそのまま素と思えない。
「しまったなぁ……」
私は変身魔法を使ってなかったことを後悔した。
そうすれば最悪同じ結果になっても、はやてちゃんんことがバレることはなかったかもしれない。
(いや、私が気絶しちゃったら魔法も解けるから、同じなのかな?)
「ねえ、聞いてる?」
「ああ、ごめんなさい!」
反射的に謝ってしまう。
「……じゃあもう一回言うけど、完成したらみんな死ぬのにどうしてリンカーコアを集めてるの?」
私は何を言っているのか分からなかった。
「な、何を言っているの!? みんなが死ぬなんて、そんな!」
「? そっちこそ何を言ってるの? 闇の書が完成したら暴走するのが当たり前、幾多の呪いをまき散らしながらマスターしらも死に至らしめる、それが闇の書でしょうに」
まるでそれが当然のように、彼女は言う。
「なんで守護騎士がそれを知らないのかな? ……あ、あー!! そう言えば改悪されてたんだっけ、それなら仕方ないのかな」
改悪? それも知らない。
「まあ、それは置いといて、守護騎士全員がこうだとちょっと厄介だなぁ、皆が皆そう思ってるなら説得も面倒だし! 何より事実を知ってもマスターの侵食は止まらないし!」
そう言って頭を抱える彼女。
(どうやら管理局の人じゃないみたいだけど、どうしたものかしら?)
少しして、しゃがんだ体勢のままこちらに顔を向ける。
それはグギギと効果音が聞こえそうなほど、人形じみていた。
「……ねえ、今何ページ?」
「えっと、確か320ページを過ぎてたと思う」
白い子でかなり稼げたから。
「つまり大体半分、時間がないなぁ」
また落ち込む彼女、だけど、何かをひらめいたようで、すぐに起き上がる。
「クリム! ちょっと来て!」
奥からどこかで見たことがるような美女が現れる。
「――ってできる?」
「ええ、できないことはないですが、それがどうかしました?」
「ちょっと思いついたの、今すぐやって!」
「しかし、それではあなたが――」
「いいの、じゃあ始めるから!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ