暁 〜小説投稿サイト〜
狂った私をお食べなさい
しじみちゃん
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私は彼氏との営みを終えて
彼氏の腕の中で寝ていた。

すると、
私の携帯が鳴る…またか…。

私には成人した息子がいる。

この着信は息子の彼女からだ。

何故か
私にとってもなついてくる彼女は

息子とケンカをしたりするたびに
私に相談の電話をしてくる。

今日はいったい
何事なのか…。

…「もしもーし」

内心は面倒くさいけど、
声をワントーンあげて電話に出た。


どうやら
息子に他の女の気配があるらしい。

それを聞いて
私はついつい吹き出してしまった。

「大丈夫よ。
あの子そんなにモテないからさー。」

私が
ケタケタ笑いながら
そう言うと

彼女はホッとしたようで

「ですよね!」

と明るく笑う。

受話器越しで
彼女の笑顔が想像できたので

私もなんだか癒されて笑った。


そして会話は終わり電話を切った。


私はあくびをしながら
隣で寝ている恋人にキスをした。

彼氏のカラダに
何度も何度も優しくキスをしながら
二回戦に誘う

…すると、また携帯が鳴る。

も〜!
いいとこなのに…。

どうせアイツだ。
アイツしかいない。

KY全開な彼女が嫌いでたまらない。

「…はいはい。もしもし〜」

「おばさん!!
わたし、もう我慢出来ない!!
彼氏の浮気相手の場所突き止めたんです…
今からぶっ殺すー!!」

かなり興奮状態の彼女を
取り敢えず宥めたのだけど

彼女は一方的に電話を切ってしまった。

「はぁ〜。めんどくさい子…」

それにしても
うちの根暗な息子に他の女?
ほんとかしら。

そんなことを考えながら
私は横で眠る恋人に抱きついた。


その瞬間
家のドアをドンドン叩く音が聞こえる。

私はゾクッとして
隣で寝ている恋人の顔を見た。


…そう、隣で寝ている
私が産んだ息子の顔をね。


「ねぇ、とおるちゃん。
どうしましょう。
どうして私だって
バレちゃったのかしら

…あんたの彼女ストーカーみたいで
少しおかしいんじゃないの?」


そう言ったあとに、

私は
自分で自分の言葉に笑ってしまった。

いやいや
私たちこそ親子で
こんなイヤラシイことして
充分おかしいわよね。


心の中でヒトリツッコミをしたら、

なんだか
こんな修羅場なのに
ちょっと面白くて
私は呑気にクスクスと笑ってしまったのだ。


笑ってしまったんだけど
それでも
暗く暗く出口がないような

そんな感覚や痛みが
ちゃんと私の中には存在していて
それが私を責め立てる
それが私を悪
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