しじみちゃん
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言いながら
私の背中を抉るように
貫通してしまうんじゃないかと思うくらい
グリグリと私に刃先をさしこんだ。
グボッグボッゲェーっ
私の口から
大量の血が吹き出た。
彼女は
そんな光景を見て
泣きながら
狂ったように
「いやっ…誰かっ…誰か!警察!」
と叫びながら
ネックレスをポトリと落として
外に駆け出して行った。
そのポトリと落ちたネックレスが
私の視界を遮り
地面に落ちていく
とても
ゆっくりに感じた。
しじみちゃんが
「あーあ。」
ってガッカリしてる顔が見えた気がした。
ん…
もういいや…
そうだ、生かされたところで
私はどうするつもりだったのか。
死ねて良かったじゃないか。
誰よりも愛する恋人に
誰よりも愛する我が子に
殺められたのなら
それが私らしい結末。
何を夢見ていたんだか…
元通り
幸せになんか戻れるわけないのにね。
うん。
またあのカラフルな世界へ戻りたい。
しじみちゃんに会いたいな。
だけど
私は罪が重すぎたため、
神様に
真っ暗な闇へと
振り分けられてしまった。
カラフルな世界には行けないし
しじみちゃんに会うことは
二度となかった。
とおるは
私を殺したあの後に自害した。
意識不明の重体
その数日後、死亡。
とおるも神様に
「母を殺した罪」という烙印を押されて
私と同じ真っ暗な闇に
振り分けられた。
また会えたね。
私たちは死んでもずっと一緒で
今も真っ暗な闇の中で
愛しあっています。
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