しじみちゃん
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をすっ飛ばした。
私は
自分の血しぶきでおぼれ
カラフルなトンネルをくぐり抜け
目が覚めると…
私は我が家の階段の下で
真っ裸で倒れていた。
あー、私…生きてたんだ…。
頭が
落ちた衝撃でズキンズキン痛むし
血も出ている…
…夢じゃない。
私は我が子と禁忌を犯し
我が子の精神を病ませて
我が子に階段から突き落とされた。
ドアを叩く音が聞こえる
そっか…とおるの彼女だわ…
私はドアを開けると
興奮した彼女が
包丁を持って立っている。
ああ、殺される…
せっかく生きていたのに…
……私ったら
こんな状況でまで
生きていたいの?
なんて図々しくて
厭らしい女なのかしら。
そんな自分が情けなくて
だけど死にたくなくて
誰か私を赦して
誰かとおるを赦して
誰かこんな母と息子を認めて。
私の心は深い闇に侵されて
瞬きも忘れてしまい、
彼女が握る包丁をボーッと見ながら
立ち尽くしていると
彼女の表情が
突然コロッと変わりました。
おっきな目を
さらにおっきくしながら
「それ!」
私の首に下がっているネックレスを
触りました。
「おばさん!これお菓子のオマケだよね?
まだ売ってるの?
小さい頃集めてたの!
なつかしい…」
目をキラキラキラキラさせながら笑った。
…やっぱり
さっきのは夢じゃなかったんだな。
ネックレス見ても
そう思ったし
何よりも
彼女のキラキラキラキラした目が
しじみちゃんを連想させる。
…私も顔が綻んだ。
彼女は
ハッと思い出したように
こう言った。
「あっ、私おばさんのこと殺しに来たのよ!!
とおるとの関係気付いてて…
私苦しくて…
ありえない…
おばさん最低だし気持ち悪い…とおるも…
ん〜、でもなんか…どうでもよくなっちゃったな。
私さ〜気分屋なのかな。
とおるのこととか、なんかもうどうでもいいや。
B型だからかな!あははっ。
ねっ、
それよりそのネックレスちょうだいよ」
…にっ、似てる。
気分屋なとこも
遠慮なく「ちょうだい」と言うとこも
しじみちゃんにそっくりで…
私はついつい
しじみちゃんとの約束を忘れて
首からネックレスを
外してしまった。
あああ!おばさんのバカ〜!
と、
何処かから
しじみちゃんの声が
聞こえたような気がしたんだけど
さほど気にせず
外したネックレスを
彼女に手渡そうとした瞬間、
私は後ろから
我が子にナイフで刺されてしまった。
「母さん、まだ生きてたの?」
そう
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