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狂った私をお食べなさい
しじみちゃん
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じみちゃんは
橋の前にあるピアノで
猫踏んじゃったを
楽しそうに演奏し始めた。

だけど
気分屋らしく

途中で飽きてしまったご様子。

今度は
チェーンソーを振り回しながら
キャピキャピ走り回っていた。

チェーンソーが
色んな人にあたり、
しじみちゃんは
色んな人の返り血を浴びて

さらに
ワンピースに赤い水玉を増やしていく。

しじみちゃんは
とても楽しそうな顔をしていた。

狂気の欠片もないように見えて
本当はきっと誰よりも
頭がぶっ飛んでいる

そんなしじみちゃんを見ても
私は不思議とちっとも
怖いとは思わなかったんだ。

…突然、紫のスーツを着こなす強面の男が現れ

しじみちゃんが
ど突かれていた。

おそらくお父さんだ。

しじみちゃんはというと、
一瞬ショボンとしながらも

おてんばなお調子者なので
一分後にはフザケているし
また騒ぎ出す。

お父さんも
途中からは呆れて
笑っていた。


そして
しじみちゃんは
お父さんの手を握りしめ
その手を楽しそうに
ブンブン振り回しながら

ふたりは
カラフルな闇へと
消えて行った。

楽しそうな顔で
目がチカチカするような
カラフルな闇へと
ふたりは真っ直ぐ進んで行き、

そのふたりの後を
しじみちゃん一家が
ゾロゾロとついていく。

気付いたら
私は泣いていた。
なんだか
あのふたりには
強い強い絆を感じる。

そんな父と娘の姿。

それでも…
いくらカラフルとはいえ

ふたりは
「闇」に消えて行ったのだから

きっと
ふたりで色んな闇を乗り越えて
あんなに強い絆を
感じさせてくれたのかもしれない。


美しい闇だ。


私ととおるだなんて
比べ物にならない。

私ととおるの闇は
汚れた闇だ。

あんな風に
カラフルな闇を乗り越えていく親子とは

比べ物にならない、
深刻な闇だ。

何故なら
私は禁忌を犯したのだから。
もう親子には戻れないのだから。

私が泣き崩れていると
背中をつつかれた。

振り向くと
そこにはしじみちゃんがいて

やはりニッコリ笑いながら
話しかけてくる。

「忘れてた!
いま地上に戻してあげるね。
そのネックレスはお守りだから
絶対に外さないでね」

と言うのだ。

えっ?地上に戻す?
えっ?これ夢なの?

私がキョトンとしていると

「ちょっと痛いかもしれないけど
我慢してね」

そう言いながら
チェーンソーを握るしじみちゃんに

怯える暇もないくらい
すごい勢いで

しじみちゃんは
私の首
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