悪魔の島編
EP.14 グレイの選択
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そこに居たのはワタルにエルザ、ルーシィにハッピー。ルーシィの案内を頼りにグレイとナツを探していたのだが、ナツは村に不在。ワタルの感知もこの島ではうまく使えず、とりあえずグレイの目覚めを待っていたのだ。
S級に黙って行ってしまった形になっているグレイは、当然ながらこの2人の登場に冷や汗を流した。
「マスターから聞いてな、連れ戻しに来たんだが……ナツはどうした?」
「え?」
自分を村に運んだナツがこの場に居ない事に疑問を覚えたグレイはルーシィの方を見る。彼女なら何か知っているかもしれない、と考えたのだ。
だが、エルザの言葉で、グレイはますます困惑した。
「ルーシィの話では、ナツは村で零帝の手下たちと戦ってたはず。だが、私たちが着いた時にはその手下たちの姿だけで、奴の姿は無かった。グレイ……ナツがどこにいるか、知らないか?」
幾ら頭が切れるといっても、気絶していた時の事まで知っている通りは無い。グレイが首を横に振る事で答えると、エルザは少し考えた後、口を開いた。
「む……となると、ナツは此処が分からなくてフラフラしてる、という事になるか……」
「いや、案外遺跡の方にいるかもな……アイツ、野性的な勘は動物じみて鋭いし」
理論じみたのはからっきしだけど……と、ワタルがエルザと話し合っていると、グレイが意を決したかのように二人に話し掛ける。
「なあ……ルーシィから聞いたって事は、この島の事情も分かってるんだろ? 村の人の姿も見たはずだ。それなのに俺たちを連れ戻す、って……放っておくつもりなのか!?」
「初めはそのつもりだったが……まあ聞け、グレイ」
憤って訴えるグレイに、ワタルは諭すように話す。
「結論から言うと…………デリオラと村人の姿は関係ない」
「は……?」
「え!?」
ワタルの言葉に衝撃を受けるグレイとルーシィ。すぐに我に返ったグレイは、ワタルを問い詰めた。
「どういう事だ!? 村人が悪魔の姿になっちまうのは、デリオラを復活させようとする月の雫のせいじゃないのか……!?」
「そうだ。彼らが悪魔の姿になるのは、月の雫によって紫色になった月が出てから……彼らの話では3年ほど前からだそうだが……この島が『悪魔の島』と呼ばれているのはもっと前、それこそ古代からの事だ。ちなみに、村の外に悪魔が住んでいる、という事も無い」
「ッ!? それじゃあ……」
辻褄が合わない。そう言いかけたグレイを、ワタルは首肯する事で肯定した。
ワタルの話は続く。
「ここに来る途中で、零帝の手下の魔導士を見たが……彼らは村人よりも近くで月の雫を浴びていたのに、『呪い』の影響は見られなかった」
「確かに、リオンの姿も人間のままだったが……」
「村人の事も気
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