悪魔の島編
EP.14 グレイの選択
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た魔力を開放。申し訳程度に浮いていたその巨体は、炸裂音の後に轟音を響かせて砂浜に落下、盛大に砂を巻き上げた。
最初の一撃で意識が飛びかけていたその体に、意識など残っているはずもない。
砂埃が晴れた後、ルーシィが見たのは……砂浜に倒れた巨体の上で、服に着いたほこりを払う執行者の姿だった。
「さてと、なぜ私たちが此処にいるか……分かっているな、ルーシィ?」
「あ、いや、その……連れ戻しに、ですよね?」
ルーシィはエルザの剣呑な雰囲気に圧され、砂の上で正座しながら彼女の問いに答えた。
ちなみに、ワタルが巨大ネズミ・アンジェリカを倒したすぐ後、青い猫・ハッピーが翼を使ってルーシィを探しに来たが……ワタルたちが来ているのを見て逃走を図るも、ワタルに見つかって鎖鎌の鎖であっさり拘束。今はエルザの後ろに立つワタルに尻尾を掴まれて宙吊りにされている。
「ナツとグレイは一緒じゃないのか?」
「そのことなんだけど……ちょっと聞いて欲しいの。勝手にS級に来ちゃったのは謝る。でも、今この島は大変なことになってるの!」
エルザよりかは声音の穏やかなワタルの問いに意を決したのか、ルーシィは話を切り出し、説明し始めた。
地下にいる氷漬けの悪魔・デリオラ。
それを復活させようとしている零帝・リオン率いる怪しい集団。
そして、そのせいで体の一部が異形の怪物と化してしまったこの島の住人たち……。
「あたしたち……なんとか、この島の人たちを助けてあげたいの……」
「……」
ルーシィの説得に、ワタルは黙って何かを考えていたが……彼の相棒は違った。
「興味無いな」
「ッ……じゃあ、せめて最後まで仕事を……」
冷徹ともとれる態度と言葉でルーシィの説得を切り捨てたエルザに、ルーシィは食い下がったが……その言葉は途中で止められた。
シャキン……!
金属音と共に、エルザがルーシィの喉元に剣を突き付けたのだ。
彼女はそのまま怒りの言葉を放つ。
「仕事? 違うぞ、ルーシィ。貴様は……いや、貴様等はマスターを、ギルドを裏切ったのだ。……ただで済むと思うな……!」
「ぅ……!」
多くを知っている訳でないにせよ、見知った仲間からの強い敵意と迫力に、ルーシィは恐怖の涙を浮かべる。
その時、彼女に意外な助け舟が出された。
「……まあ待て、エルザ」
「ワタル!?」
「……!」
エルザと共にルーシィ達を連れ戻しに来たワタルだ。
彼の言葉に、エルザとルーシィは揃って驚きの表情を浮かべる。といっても、エルザは困惑から、ルーシィは思わぬ希望的観測を抱いたためであるが。
「とりあえず、剣を下げろ
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