悪魔の島編
EP.14 グレイの選択
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意し、ナツ達の捜索の方針が決まったのだった。
実は、そのネズミの手には、彼らの目標の一人、妖精の尻尾の女魔導士・ルーシィがしがみついていたのだが……それはワタルたちの知るところではなかった。
= = =
そして、海岸で……。
「ヤバ、足が……!」
苦戦の末、何とか元蛇姫の鱗所属の魔導士・シェリーを倒したルーシィだったが、ピンチを抜け出した、とは言い難かった。
彼女のパートナーである、大ネズミのアンジェリカが主人の仇をとるかのように上空へ飛びあがり、ルーシィを押し潰そうとしていたのだ。
しかも悪い事に、彼女は戦闘の疲労からまともに動けそうにない。
「きゃああああああああああ!! …………あれ?」
せめてもの抵抗として、ルーシィは悲鳴を上げたのだが……いつまでたっても自分の身に何も起こらない事を訝しんだ。
そして、強く閉じていた眼を恐る恐る開けると……
「――よっ、と……無事か、ルーシィ?」
びっくりするぐらい軽い掛け声と共に、片手をポケットに入れたまま、アンジェリカの巨体を支えて立つワタルの姿があった。少し離れているところにはエルザの姿もある。
島に着いた二人は、船上で見た巨大なネズミを探して浜辺を歩いていた。
その途中で気配に敏感なワタルが戦闘の気配を察知し、それを辿っていたところ、ルーシィを発見した、というわけだ。
「ワタル!」
「色々と聞きたい事はあるが……とりあえず、離れてろ」
「いや、それが……体が……」
「……しかたない、エルザ!」
「わかった」
ルーシィは直前の戦闘で負ったダメージと疲労で身体が動かない事を伝え、巨体を支えたまま首を動かす事でそれを確認したワタルはエルザに声を掛けた。それだけで彼の意図を察したエルザはルーシィを掴むと、不機嫌そうな様子を隠しもせずに、彼女を安全な砂浜に運んだ。
それを少し苦笑しながら確認したワタルは……身に纏う雰囲気を鋭く一変させた。
「ハハ、相変わらずご機嫌斜めだな。さて……お前程度じゃあ、俺を潰せねェよ」
それが伝わったのか、アンジェリカはその巨体を震わせたが……もう遅い。
ワタルが口にしたのは意気込みでも何でもない、純然たる事実。後はそれを実行されるのを待つのみだったのだから。
「よっ、と……」
ワタルはアンジェリカの腹を支えていた手を放すと、その首から背に駆け上り、片手を槍のように構え……魔力を集中、掛け声と共にその巨体へ突き刺した。
「フン!」
「ガッ……!」
たったそれだけでアンジェリカは悶絶。だがそれだけでは終わるはずもない。
「“魂威”!」
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