ポワン様は見ていた
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いえ、躊躇はあったでしょう。
子供ゆえの無邪気な残酷さで、頓着しないか、或いは楽しんでいるようなら、大人として諭せばいい。
命は取りたくないと、殺したくなどないと。
感情ではそう思いながらも、見逃せばどうなるか冷静に考えた上で、殺すと決めて、動いたドーラ。
……でも、いけない!
あなたにそこまでの覚悟を決めさせるどんなことを、あなたが抱えているのかはわからないけれど。
まだ、幼いあなたが。
私たちなどのために、そんなことをしては、いけない!!
「ちょ!!ドーラ!待って!」
その場に自分がいないことを今ほど呪ったことは無いと、悔やむ私に応えるように、ベラがドーラを止めます。
ああ、本当に、この子は。
本当に大事なところで、間違えない。
占いに従って、正しく使命を果たしてくれる、正しく選ばれたドーラを送り出した私の判断は、正しかったかわからないけれど。
ベラを付けたことだけは、間違い無く正しかった。
選ばなかった選択肢を考えて、悔やむくらいならば。
私はこれから、私に出来ることを考えましょう。
まずは笑顔で、ドーラたちを迎えること。
そして旅立つあの子を、私に出来る精一杯で、送り出すこと。
未来への、約束。
あなたにしてもらったことに、何をしても報い切れるとは思わないけれど。
あなたが困ったときには、きっと力になりましょう。
疲れたあなたが、帰ることの出来る場所のひとつに、なりましょう。
あなたの道行きが、辛いだけのものになりませんように。
同じだけの、より以上の幸せに満ちたものでありますように。
ここからいつも、祈りましょう。
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