暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX・ドーラちゃんの外伝
ポワン様は見ていた
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


 いえ、躊躇はあったでしょう。
 子供ゆえの無邪気な残酷さで、頓着しないか、或いは楽しんでいるようなら、大人として諭せばいい。

 命は取りたくないと、殺したくなどないと。
 感情ではそう思いながらも、見逃せばどうなるか冷静に考えた上で、殺すと決めて、動いたドーラ。

 ……でも、いけない!
 あなたにそこまでの覚悟を決めさせるどんなことを、あなたが抱えているのかはわからないけれど。
 まだ、幼いあなたが。
 私たちなどのために、そんなことをしては、いけない!!

「ちょ!!ドーラ!待って!」

 その場に自分がいないことを今ほど呪ったことは無いと、悔やむ私に応えるように、ベラがドーラを止めます。

 ああ、本当に、この子は。
 本当に大事なところで、間違えない。

 占いに従って、正しく使命を果たしてくれる、正しく選ばれたドーラを送り出した私の判断は、正しかったかわからないけれど。
 ベラを付けたことだけは、間違い無く正しかった。


 選ばなかった選択肢を考えて、悔やむくらいならば。
 私はこれから、私に出来ることを考えましょう。

 まずは笑顔で、ドーラたちを迎えること。
 そして旅立つあの子を、私に出来る精一杯で、送り出すこと。
 未来への、約束。


 あなたにしてもらったことに、何をしても報い切れるとは思わないけれど。
 あなたが困ったときには、きっと力になりましょう。
 疲れたあなたが、帰ることの出来る場所のひとつに、なりましょう。

 あなたの道行きが、辛いだけのものになりませんように。
 同じだけの、より以上の幸せに満ちたものでありますように。

 ここからいつも、祈りましょう。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ