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ドラクエX・ドーラちゃんの外伝
ザイルくんの厳しい現実
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慈愛のなせるワザだったんだ。
 馬鹿すぎて普通に言ってもわからないオレに、わからせるにはあれしかないと。

 オレは本当に、なんて、なんて馬鹿だったんだ!

 こみ上げてくるものを必死に抑えながら、それでも最後にこれだけは言っておかないとと、なんとか口を開く。

「ありがとうございます、ドーラ様!本当に、ありがとうございました!!」

 それだけ言ったあとはもうこらえきれずに、すぐさまうしろを向いて走り去る。

 あまりにも失礼な態度だが、ドーラ様なら!
 ドーラ様ならきっと、わかってくださる……!!



 そのあと妖精と顔を見合わせて爆笑するドーラ様のことなど一生涯知ることは無く、オレはこのとき、ドーラ様への忠誠の誓いを立てたのだった。
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