第1章
旧校舎のディアボロス
第32話 帰ろう
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…イッセーさん。あ、あの私…」
イッセーがアーシアの言葉を遮って抱き締める。
「さあ、帰ろう……アーシア……!」
よかったなイッセー。
なんて感動的な場面なんだが、約一名のせいでちょっとぶち壊しだ。
「………」
千秋が頬を膨らませてムスっとしていた。
まあ、今回は我慢しろ。
━○●○━
「おはようございます」
俺は朝から集まりがあると言われ、いつもよりも早めに学校に来て、部室に赴いた。
「あら、ちゃんと来たわね。傷はどう?」
「はい。アーシアの治療パワーで完治です!」
「ふふ、『僧侶としてさっそく役立ってくれたみたいね。堕天使が欲しがるのも頷けるわ」
「あのぉ、部長……」
「なあに?」
俺は少し前から聞きたかった事を聞こうと思った。
「そのぉ、チェスの駒の数だけ『悪魔の駒』があるんですよね?」
「そうよ」
「って事は、俺と同じ『兵士』って、今後あと七人も増えるって事ですか。あ、でも、これ以上ライバルが増えるのわなぁなんて……ああ、冗談ッス!ほんの冗談…」
「私の『兵士』はイッセーだけよ」
「え、それって…」
「人間を悪魔に転生させる時、転生者の能力次第で消費する『悪魔の駒』の数が変わってくるの」
消費?
などと考えていると、部長が抱き付いてきた!
「私の残りの駒は『|騎士《ナイト)
》』、『戦車』、『僧侶』が一つずつ、あとは『兵士』が八つ。その八つの駒全部使わないと、貴方を悪魔に転生させる事ができなかったの」
「俺一人で八個全部使ったんですか!?」
「それが分かった時、貴方を下僕にしようと決めたのよ。それに……」
「それに?」
「明日夏が自分の命を対価にしてまで貴方を生き返らせてくれって頼んできたのよ」
「そう言えば……」
「私はその時に明日夏の事も気に入ったのよ。親友の為に一生懸命な彼を。そして、彼がそこまでする貴方を」
「部長……」
「イッセー。最強の『兵士』を目指しなさい。貴方にならそれができるわ。私の可愛い下僕なんだもの」
「……最強の『兵士』……はい!分かりました、部…」
いきなり部長が額にキスをしてきた!
って、キスゥゥゥッ!?
「おまじないよ。強くおなりなさい」
「ウオォォォッ!!部長、俺、頑張ります!」
「っと、貴方を可愛がるのはここまでしないと、新人の子に嫉妬されてしまうかもしれないから」
「嫉妬?」
どういう意味だ?
「……イ、イッセーさん……」
「な!?ア、アーシア!」
いつの間にか、俺の後ろに
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