暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 新訳 更新停止
第1章
旧校舎のディアボロス
第32話 帰ろう
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
っ!?」
「私の可愛い下僕に言い寄るな……吹き飛べ!」
「ああぁ…」

ドォン!

 部長の魔力がレイナーレを包み、残ったのは散らばった彼女の黒い羽だけだった。


━○●○━


 聖堂の宙に淡い緑色の光を放つ指輪(リング)が二つあった。
 おそらく、アーシアの『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)だろう。
 部長はそれを手に取ると、イッセーの方を向く。

「これを彼女に返しましょう」
「……はい……」
「……イッセー……」

 イッセーは『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を部長から手渡されると、それを横たわるアーシアの指に填める。
 結局、あれだけほざいて付いて来てこのザマか……。
 ただ敵を倒すだけ、そんな事はバカでもできる。結局俺は何も守れちゃいねえ。あの時も、イッセーの時も、今も、何一つ守れちゃいねえ。

「……部長……すみません……あんな事まで言った俺を……部長やみんなが助けてくれたのに……俺……アーシアを……守ってやれませんでした……」

 でも、お前は心は救ってやれたんじゃないのか。
 この教会に来る途中、アーシアの事をイッセーから聞いた。アーシアがただ友達が欲しかった普通の女の子だと言う事を。
 そんな彼女の友達になったお前は彼女の心は救ってやれた筈だ。
 ……何一つ守れない俺とは違って……。

「良いのよ。貴方はまだ悪魔として経験が足りなかっただけ。誰も貴方を咎めたりしないわ」
「……でも……でも……俺……!」
「……イッセー……」
「……イッセー兄……」

 千秋、お前の事もこいつに救ってもらったな。
 ……情けない兄貴の俺の代わりに……。

「前代未聞だけれど、やってみる価値はあるわね」

 部長、それって!

「これ、何だと思う?」
「……チェスの駒?」
「正しくは『僧侶(ビショップ)』の駒ですわ」
「……アーシアを眷属にするのですか?」
「ええ、そうよ、明日夏。『僧侶(ビショップ)』の役割は知ってる?」
「確か、眷属のフォロー……」

 なるほど。確かにアーシアは適任だな。


━○●○━


「我、リアス・グレモリーの名に於いて命ず。汝、アーシア・アルジェントよ、今再び我の下僕となる為、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶(ビショップ)』として、新たな生に歓喜せよ!」

 『僧侶(ビショップ)の駒が紅い光を発しながらアーシアの中へと沈んでいく。

「……ぅ……」
「アーシア!」
「……あれ……?」
「部長!」
「私は悪魔も回復させるその力が欲しかったから転生させただけ。後は貴方が守っておあげなさい。先輩悪魔なんだから」

 回りくどい言い方だな、部長。

「…
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ