第1章
旧校舎のディアボロス
第32話 帰ろう
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っ!?」
「私の可愛い下僕に言い寄るな……吹き飛べ!」
「ああぁ…」
ドォン!
部長の魔力がレイナーレを包み、残ったのは散らばった彼女の黒い羽だけだった。
━○●○━
聖堂の宙に淡い緑色の光を放つ指輪が二つあった。
おそらく、アーシアの『聖母の微笑だろう。
部長はそれを手に取ると、イッセーの方を向く。
「これを彼女に返しましょう」
「……はい……」
「……イッセー……」
イッセーは『聖母の微笑』を部長から手渡されると、それを横たわるアーシアの指に填める。
結局、あれだけほざいて付いて来てこのザマか……。
ただ敵を倒すだけ、そんな事はバカでもできる。結局俺は何も守れちゃいねえ。あの時も、イッセーの時も、今も、何一つ守れちゃいねえ。
「……部長……すみません……あんな事まで言った俺を……部長やみんなが助けてくれたのに……俺……アーシアを……守ってやれませんでした……」
でも、お前は心は救ってやれたんじゃないのか。
この教会に来る途中、アーシアの事をイッセーから聞いた。アーシアがただ友達が欲しかった普通の女の子だと言う事を。
そんな彼女の友達になったお前は彼女の心は救ってやれた筈だ。
……何一つ守れない俺とは違って……。
「良いのよ。貴方はまだ悪魔として経験が足りなかっただけ。誰も貴方を咎めたりしないわ」
「……でも……でも……俺……!」
「……イッセー……」
「……イッセー兄……」
千秋、お前の事もこいつに救ってもらったな。
……情けない兄貴の俺の代わりに……。
「前代未聞だけれど、やってみる価値はあるわね」
部長、それって!
「これ、何だと思う?」
「……チェスの駒?」
「正しくは『僧侶』の駒ですわ」
「……アーシアを眷属にするのですか?」
「ええ、そうよ、明日夏。『僧侶』の役割は知ってる?」
「確か、眷属のフォロー……」
なるほど。確かにアーシアは適任だな。
━○●○━
「我、リアス・グレモリーの名に於いて命ず。汝、アーシア・アルジェントよ、今再び我の下僕となる為、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、新たな生に歓喜せよ!」
『僧侶の駒が紅い光を発しながらアーシアの中へと沈んでいく。
「……ぅ……」
「アーシア!」
「……あれ……?」
「部長!」
「私は悪魔も回復させるその力が欲しかったから転生させただけ。後は貴方が守っておあげなさい。先輩悪魔なんだから」
回りくどい言い方だな、部長。
「…
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