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海堂蒼蓮がISの世界にinしました。
プロローグ「海堂蒼蓮は一矢報われました」
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 見上げれば満点の星々が俺を見下ろしている。


 暗い空という名のパレットを強い輝きを放つ星々が彩る光景には心に訴えるものがあった。


 飽きることなく天の川を見上げていると、足元からくぐもった声が。


「ぐぅっ…………くっくっくっ……これが、『神越』か……。人間でありながら神を超える者……、眉唾だと思っていたが、この状況では、噂が控えめであったと言わざるを得んな……」


「なんぞ、まだ生きていたのか」


 色のない目を足元に向ける。そこには上半身と右腕しかない、元人形であったモノがあった。


 今し方俺との戦いで傷ついた身体を徐々に修復しながら、そいつは死相が浮かんだ顔を歪める。


「我々、神を超える力を得て……貴様は、なにを望む……のだ?」


 そいつの言葉に思案する。気が遠くなるような遥か昔には明確な考えがあったはずだが、もう霞みがかって思い出せない。


 取りあえず、今の俺が言えることは――。


「黙れ。敗者がうだうだと語るな」


「――くっくっく……確かに、貴様の言うとおり、だ。この身は既に朽ちる運命にある……敗者は疾くと失せるのが道理、か……」


 ソイツは血の臭いがする吐息を零し、遠い目で空を見上げた。


 そう、お前は敗者。そして俺が勝者だ。戯言を言う暇があればさっさと消滅しろと言いたい。


 否、言うだけでは飽き足らない。この手で実行してやろう。


 引導を渡すため虫の息のそいつに掌を向ける。


「――この世に顕現して、幾星霜……我の最初の神殺しが、まさかカンピオーネであったとわな……」


「カンピオーネ?」


 聞き覚えのない単語に、集中していた魔力が霧散した。


「なんだ、知らんのか……? 我ら神々を殺めし者に送られる称号にして、呪いよ……。あのパンドラの息子として生きるのが、貴様らカンピオーネの定めであり節理でもある」


「パンドラ?」


 どこかで聞いたような名だ。思い出せそうで思い出せないもどかしさが俺を襲う。


「まあ、よい……。既に十もの神を殺めている貴様だ……。いずれ真理を知るだろう。敗者は疾くと去のう……」


 ……ムカつく顔だ。負けた身のくせになにを笑っているんだコイツは……。


 やっぱり殺るか? と、再び魔力を集めた時だった。


「だが――、ただでは殺られんぞ……」


「むっ?」


 唐突に頭上の虚空にぽっかりと穴が開いた。重力を逆らうようなとてつもない吸引力が発生する。


「最期の足掻きよ……。時空を司る我に相応しい最期を迎えてやろうぞ」


 俺の身体が大地から離れ、虚空の穴へと
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