第23話
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となったアイエスと、福本育郎に恩があって参加している井上準だった。
両者とも、かなりの実力を持つ猛者である。
アイエスはその手にブレードを構え、井上準は拳を構えてクリスの前に立ち塞がった。
そうこうしている間にどんどん離れていく項羽を見て歯噛みをするクリスだが、前に立つ二人を倒さない限りは進めない。
「くっ……! 邪魔するな!」
「やなこったですよ!」
「できるだけ足止めさせてもらうぜ!」
そうして混戦状態を維持させられているクリスを他所に、項羽はどんどん旗へと近づき、そして本陣にまでやってきた。
周りには劉邦軍の生徒しかいないが、まったく恐れてはいない。
ただその目は、旗の前に立つ劉邦だけに向けられていた。
「辿り着いたぞ劉邦! 覚悟してもらおうか!」
「……こうまで思い通りだと結構アレだな。まぁいいけどさ」
「何だと?」
「ま、いいさ。俺を倒せるものなら倒してみろ、項羽」
「ほざけぇ!」
さっさと旗を倒せばいいだろうに、項羽の目には劉邦しか入っていないようだ。
もちろん旗を倒そうとしても邪魔が入るのだろうが、それでも彼女がそれを本気でやろうとすれば止めるのは難しいだろう。
そして項羽は劉邦に向けていざ方天画戟を振るおうとしたのだが、その瞬間に横合いから飛んできた稲妻がその攻撃を弾いた。
それを見た劉邦はニヤリと笑いながら項羽に言う。
「俺は一対一でやるなんて言ってないぜ?」
「ちぃっ!」
項羽は稲妻が飛んできた方向を見る。
するとそこには、マントを羽織った怪しい人物がいた。
劉邦軍の助っ人の一人であるそのマントマンは、項羽へと闘気を向けながら口上を述べる。
「どんなに強力な敵であれ、立ち向かい拳を振るう義もまたある。暴虐を振るう王に相対し、皆を守るための盾となる。人、それを侠客と呼ぶ」
「一応聞いてやろう、誰だ貴様は!」
「貴様に名乗る名前は無い! 故あって名乗るわけにはいかんのだ!」
マントマンはそう言いながら劉邦の横に並び立った。
二対一。
しかし劉邦自身、それでも勝つことができるとは思っていない。しかし翻弄して時間を稼ぐ事ならば十分にできるだろうと踏んでいた。
それに劉邦自身の力も、誰かと協力する事で倍以上にする事ができるのだ。そうでなければ、対抗する事すら不可能だろう。
「こっから先は通行止めだ。旗のとこまで行きたきゃ俺たちを倒していきな」
「元からそのつもりだ! まとめて吹き飛ばしてやる!」
「はぁ……一筋縄ではいきそうにないな」
圧倒的暴力を振るう覇王に立ち向かう二人。
その場で、暴風と稲妻と業火が激突した。
そして同時に、別の場
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