第22話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!」
「甘いぞ項羽っ! 食らえドラゴンブレス!」
四つん這いになっている劉邦に方天画戟を振り下ろそうとした項羽。しかしそんな彼女の攻撃が届く前に、顔を上げた劉邦の口から大量の炎がばら撒かれた。
そんなのありかよと思った観客もかなりいたが、むしろトンデモ展開に歓声が上がった。
さて、炎を浴びた項羽だったが、ちょっと驚いただけでまったく火傷はしていなかった。
「温いわっ!」
彼女がそう言うのも無理のない事だ。
なぜならその炎は見せかけだけで、実際は気で構成された『炎っぽい生温い何か』だったのだから。
正直言って熱いと思うより、気持ち悪いと思うのが大半だろう。
「っ! どこだ!?」
「後ろだっ!」
炎に紛れていつの間にか項羽の背後に回りこんでいた劉邦。
そして彼は、振り返ろうとした項羽のスカートをずり下ろした。
そう。項羽のスカートを、ずり下ろした。
「っきゃあああああああああああああ!」
「……やったぜ!」
「何をするかあああああ!」
「ぎゃああああ!」
結果、どうなったか。
思わず悲鳴を上げ、武器を取り落とす項羽。
サムズアップして自分の軍を振り返る劉邦。
そしてブチキレた項羽がすぐさま放った右のビンタを喰らい、劉邦は吹き飛んだ。
その様子を見ていた観客や生徒たちはポカンと口を開けて硬直し、更に項羽に続いて突撃しようとしていたクリスも、あまりの事態にその足を止めてしまっていた。
だがおそらく、最も大きな反応をしたのは劉邦軍の生徒たちだろう。
自分たちの大将が吹き飛ぶ様子を見て士気を下げるどころか、彼らは今最高の盛り上がりを見せていた。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!」
「大将が目にもの見せたぞおおおおおおっ! 野郎ども後に続けぇええええええええええ!」
「よっしゃいくぜえええええええええ!」
「ひゃっはあああああああ!」
劉邦軍の生徒ほぼ全員が雄叫びを上げ、怒涛の勢いで突撃を開始した。
それに伴い、あまりの衝撃に止まっていた覇王軍の時間が再び動き出す。
そして赤い顔でスカートを再装着した覇王もまた動き出す。
「おのれおのれおのれおのれおのれ! 劉邦、絶対に許さんぞ!」
「だが、俺は逃げる……! せいぜい追って来い項羽!」
劉邦はそう言った途端、どこからともなく現れた橘天衣に回収されて旗のある本陣へと退却していった。
スピードクイーンとまで呼ばれていた橘天衣の逃げ足だけあって、その速度はかなりのものだった。
そして怒り心頭の項羽は、再び突撃を開始した。
「くっ、葉王様に何かあったら不味い! 急いで追いかけてくれクリス!」
「了解した!」
その
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ