第22話
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こった。
そして同時に先ほどまでの甘い考えは消え、模擬戦に対する考え方が変わっていく。
これは真剣な戦いなのだと。遊びじゃあないんだと。
そして観客の抱いた驚愕はすぐさま興奮へと変わり、大地を揺るがすような大歓声へと成り代わった。
「見た感じ、下馬評どおりに源氏軍の勝ちだな」
「そうですねぇ。旗を守るのも重要ですけど、やっぱ勢いで負けてますから仕方ないです」
「後はまぁ、武蔵軍の構成が一年生主体でまだ経験が浅いってのもあるだろうよ」
寝ぼけているようで意外に真面目に観戦していた劉邦は、隣に立つアイエスとそんな事を喋っていた。
というのも劉邦軍には軍師的存在がいないため、そういった役回りはみんなでちゃんと補っていかなければならないわけだ。
そして試合の展開はそのまま源氏優勢で進んでいき、武蔵軍も助っ人枠を使った奇襲部隊などを使ったりしたが、結局。
「それまでっ! 武蔵軍の壊滅判定につき、源氏軍の勝利です!」
結局、壊滅判定がなされる30人以下にまで兵を減らされてしまった武蔵軍が敗北し、見事に源氏軍が勝利を飾った。
戦いによって怪我をした生徒たちを野戦病院のようになっている体育館へと運んだら、間髪入れずにに次の試合だ。
初日の第二試合は、九鬼軍対松永軍。
これに対する関心はもちろんだが、このカードが決まった事はマスコミたちが最も注目を向けるだろうカードの成立を意味する。
即ち、覇王軍対劉邦軍が第三試合に決定したというわけだ。
「ま、わくわくするのはともかくとしてだ。やっぱり九鬼が勝ちそうだな」
「兵単体の質はともかく、全体の統率としてはかなりの差がありますね。これなら私たちにも付け入るスキはいくらでもありそうです」
「あのままならな。そして俺の勘はあのままじゃあないと言ってる」
ホラ貝の合図と共に始まった九鬼郡対松永軍は、初めこそ松永軍が押し込んだものの、九鬼軍の連携の前にすぐ押し返されてしまっていた。
きっと九鬼軍の数の多さもあるのだろう。確実に一人一人を多対一で相手取り、制限時間が尽きる頃には松永軍の兵数をかなり減らしていた。
「それまで! 制限時間の判定により、九鬼軍の勝利!」
審判による宣言と共に九鬼軍はかちどきをあげ、観客たちのテンションも最高潮にまで盛り上がる。
そして第三試合、おそらくは初日にして最も注目される事になったカードに対する期待も、否が応にも高まっていく。
覇王軍対劉邦軍。
その火蓋が、ついに切られようとしていた。
「初日からこのカードとかマジパネェ!」
「どっちが勝つと思う?」
「そりゃ劉邦じゃねえの? 史実から見てもよ」
「バッカお前、覇王の暴れっぷり見てねぇのかよ」
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