第21話
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てきたのは、劉邦軍の副将になった福本育郎。
そして電話を受け取ったのは、バイクのボディから普通の女の子ボディに戻った『クッキー4IS』ことアイエスだった。
なぜ彼女が劉邦の部屋にいるのかといえば、現在彼女はそこに住んでいるからである。
バイクボディから女の子ボディに戻った事で本来の奉仕ロボットとしての活動ができるようになり、劉邦の部屋を掃除したり何かつまめるものを作ったり彼の趣味を手伝ったり、色々と役に立っていた。
ちなみにバイクとの互換機能は失われてはおらず、バイクに乗れば自分の体の一部のように使いこなす事ができるし、バイクを遠隔操作して呼び寄せる事もできるようだ。
『大将はどっかに出てんのか?』
「はいそうです。敵の大将とデートとかアホですよねぇ」
『ってそれ絶対項羽だろ! 流石は大将だぜ』
普段ならリア充爆発しろとでも言う育郎だろうが、さすがに恩のある劉邦と強すぎて手を出す気になれない項羽のペアなら文句は無いらしい。
まぁ正式にくっついたとなったら色々言うだろうが、それでも最後には祝福するだろう。
彼は知り合いの幸福にいつまでもケチをつけるような男ではない。
「連絡事項なら私が伝えますよ?」
『そうなのか? それじゃあよろしく頼むぜ。まず――』
育郎はアイエスに、劉邦がいない間にあった事を報告し始めた。
それは助っ人枠である銀髪の女性が前に自衛隊にいたおかげで訓練がはかどっているとか、そんな感じの事だ。
しばらくしてから報告を終えた育郎は、最後にアイエスに言った。
『それじゃあ大将には応援してるって伝えてくれよな』
「まぁいいですよ。ただ、どうなんでしょうねぇ」
『何が?』
「マイスターは映画見るって言ってましたけど、その時に行く予定の映画館の館長と色々交渉してたんですよね」
『へぇー』
「どうせまた何か企んでやがるんですよあの人。とばっちりがこないようにせいぜいがんばってくださいね」
さて、アイエスの予想だが、それはほとんど当たっていた。
ショッピングは良かった。
食事も良かった。
だが映画、こいつが駄目だった。
そこまででアップさせた好感度が一気に帳消しを通り越してマイナスになるくらいに駄目だった。
いくら項羽となった葉桜清楚がアクション系とかの主人公が大暴れする映画が好きだとはいえ、デートでそれを選んでおいて、しかも元になった舞台が『項羽と劉邦』じゃあ怒って当たり前である。
「おいおい待てよ。そこまで怒る事無いだろう」
「……本気で言っているならこの場で息の根を止めてやるぞ」
「キレすぎだろおい。っつか待て待て。真意ってのを読み取る努力をしてくれよ。俺が意味も無くこんな悪趣
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