第20話
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す。津軽海経さんいます?」
その電話先は、九鬼のとある開発班へとつながっていた。
……十分後、交渉の果てに一人の(見た目)少女が助っ人になった。
翌日挨拶に現れたその助っ人のあまりの美少女ぶりに、劉邦軍の士気が3ポイントくらいアップしたのは言うまでも無い。
その三日後、劉邦は川神の町をぶらぶらと歩き回っていた。
もちろん助っ人枠最後の一人を決めるためであるが、さすがに無計画すぎたのか、彼が求めるような人材にはまだ一度もめぐり合えていなかった。
「やべぇな……ちょっと自分の幸運が信じられなくなりそうだぜ」
早起きすれば三文どころか500円玉を拾い、アイスを買えば当たり棒が出る。
この三日間に発揮されてたのは、そんなしょうもない幸運ばっかりだった。
それでは流石に落ち込むのも無理は無いだろう。
「つーか、めぼしい人材は全部採用済みなんだろうなぁ……今更か」
しかもいくら皆からの信頼を得たとはいえ、丸三日ぶらついて何の収穫もなしでは流石に問題がある。
今まで築いてきたものが壊れてしまう可能性もあった。
そういう意味では、彼は今日誰かに出会う事に賭けていた。
しかし、そうして街を歩いていたらいつの間にか夕方になっていた。
そろそろ結果を報告するべき時間だった。
重い溜息を吐きながら、劉邦がポケットから携帯電話を取り出そうとしたその時である。
「あぁ……どうしてなんだ……」
劉邦の耳に、やたらと落ち込んだ声が聞こえてきた。
彼はかなり近くで聞こえてきたその声のした方向へと目を向けた。
どうやら彼の第六感が何かを感じ取ったらしい。
小走りでそちらへ向かい角を曲がると、銀髪の女性が自動販売機の前で立ち尽くす光景が劉邦の目に飛び込んできた。
「そんな所でどうしたんだ?」
「……え? 私か?」
「他に誰がいるんだ。その自動販売機に何かあったのか?」
「実は……お金を飲み込まれてしまって」
「は?」
なんでも彼女の言うことには、模擬戦の話を聞いて体が疼いたから川神に来たのだが、ちょっと喉が渇いたからと近くの自動販売機に小銭を入れた途端、その自動販売機が全く反応しなくなったらしい。それが500円玉だったから地味にショックも大きいんだとか。
なんとかしようと小突いても蹴っても反応を返さず、途方にくれてついつい呟いてしまったようだ。
「そいつはまた、不幸だったな」
「あぁ。私はいつもこうなんだ……あの時も……フフ……」
その女性は昔を思い出したのか、負のオーラを漂わせ出した。
正直言ってとても見ていられない様子だったので、劉邦は助け舟を出してやる事にした。
こと自動販売機については、不幸
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