第20話
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人枠にかなりの自信があるらしい。
また、劉邦がどの程度の能力を持っているかも未知数であるため、暫定的には下位ながらも油断はできない存在だ。
こうして形となってきた各軍だが、模擬戦の第一戦が開始されるのは7月20日。
まだ準備期間は二十日近く残っている。
兵となった生徒を鍛錬し、また勝利するための策を用意する時間としては十分な時間だ。
それによっては、戦力の差に大きな変化が現れる事も考えられるだろう……
***
「ふふふ、まぁ各軍の情報といったらこのくらいだろうな」
「大将、誰に言ってんすか?」
「お約束という奴だ島津。それより、集まった生徒たちはどうなってる?」
「おぅ! みんなやる気だぜ。もちろん俺もな!」
校舎裏、日のあたらない場所で劉邦軍は鍛錬を行っていた。
主な内容は筋トレ。そこに加え、持久力アップと称して川神一周マラソンを行っていた。
それらが終わったら食堂に集まり、好きなものを好きなだけ食ってもいいという豪勢な振る舞いだった。
ちなみに資金の出所は、劉邦と育郎のコンビである。
「やはり美味い飯と良き睡眠、適度な運動が最強だな。悪いな育郎、金を出してくれた事には感謝するぞ」
「へっ、先行投資ってやつさ」
100人を越える人数に食事を振舞うとなれば、それには相当の金が必要だ。
それを連日行うとなれば、金を工面するのも簡単にはいかない。
だが福本が私物のエログッズなどを売りさばき、それを食券に変えて劉邦が賭場で荒稼ぎする。
普通は成功しないやり方だが、そんな幸運頼みの滅茶苦茶なやり方でも上手くいくのが劉邦である。
伊達に庶民から王様に成り上がった男のクローンではないというわけだ。
「それはそうと、助っ人の勧誘はどうなった? 自信があるみたいだったが」
「もちろんバッチリよ! 確かな実力があるって裏は取れてるからな! ちゃんと勧誘にも成功したぜ」
「うむ。それならいい。残る助っ人二名も早い所決めたい所だが……」
劉邦は腕組みをして目を瞑った。
育郎から聞いて誘おうと思っていた忍者がいたのだが、彼は任務中だかで連絡が取れないらしい。謀略ができる人材が一人くらいは欲しかったようだが、連絡が取れなければどうしようもないだろう。
そして空いてしまった助っ人一枠。
元から最後の一枠は自分の幸運任せで決めようと思っていた劉邦だったが……
「……よし、ならあいつにするか」
「大将、心当たりでもあるんすか?」
「まぁ一応な」
育郎にそう応えると、劉邦は携帯電話を取り出していずこかへと掛け始めた。
「あ、もしもし。劉邦ですけど。ああ間違えた、赤戸柳司ですけど。はい。はいそうで
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