第19話
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50人であるわけだが、負傷していき人数が減る事を考えると、多ければ多いほどに有利である。
「どーする大将。俺が呼べる奴は全部呼んじまったぜ」
「ふ、慌てるな我が将。数が全てというわけではない。何よりも大事なのは士気だ。……さて、そろそろ声を掛けるとしよう」
そう言った劉邦は、ざわざわと騒ぐ生徒たちの前に立った。
彼はその長身で生徒たちを見渡しながら口を開いた。
「よくぞ集まってくれた! 仲間たちよ! 俺は心からお前らを歓迎するぞ!」
大きく腕を広げてよく通る声で言い放った劉邦に、そこにいた生徒たちの注目が集まった。
ここに集まった生徒たちには、所謂アウトロー、はみ出し者、変態などの個性溢れる者たちが多い。
それに加えて、劉邦の名に集まった者や童帝である福本育郎に恩のある者たちがいた。
なぜそういう奴らが集まったのかといえば、劉邦と育郎がそういう連中が集まるように仕向けたからだ。
理由は、その方が面白いし、やり易いから。
「正直言って俺の事を劉邦とか名乗ってるし特別なんじゃね? みたいな事を思ってる奴はいると思う! だが気にするな! 確かに俺は劉邦だが呼びやすいように呼んでいい! ボスでも大将でも好きにしろ! ついでにタメ口でも一向に構わんぞ!」
とりあえず運営をやり易くするために、劉邦はそんな事を言い放った。
育郎が大将ならばこんな事を言う必要も無いだろうが、劉邦というよく知らない人物が大将なら、まずはそれに対する壁を取り払う事が必要だと彼は思ったのだ。
大将としての威厳、劉邦はそんなものは初めから必要としてはいなかった。
「聞け聞け皆の衆! しかも俺たちの大将は模擬戦が終わったら九鬼関係者との合コン開いてくれるって約束してくれたぞおおおお!」
「「「うぉぉマジで!?」」」
「無論マジだ! この写真を見ろ!!」
そう言って育郎は懐から大量の写真をばら撒いた。
もちろん、劉邦が用意したものを事前に大量コピーしたものである。
その写真には、普段はガードが硬い上に実力も高くて写真が取れない九鬼の従者+αの姿が写っていた。
なんでも劉邦が、自分で交渉して写真を撮らせてもらったらしい。
ちなみに+αとは、緑の髪をツインテールにした正体不明の美少女の写真である。
なんにしても集まった生徒たちが気炎を上げるにはもってこいの材料だった。
「劉邦サイコォォォォォォォ!」
「一生ついていくぜえええええええええ!」
「俺を抱いてくれぇ! 尻なら貸すぞ!」
「いやそれはお断りで」
だいたいそんな具合に、集まった男たちのむさくるしい声が校舎裏に響き渡った。
合コンもそうだが、九鬼の従者の写真がタダで手に入った事もかなりテンション
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