第19話
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「へっ、それを口にしてどうする気だよ」
「別に何も?」
「え?」
「俺はお前にもっと自信を持ってもらおうと思っただけさ。俺の片腕に足るという自信をな。それだけの組織を持つというのは並大抵の事ではないのだぞ?」
そう言って育郎を褒める劉邦。
実際、魍魎の宴で多くの者の上に立つ育郎にはカリスマがあった。それは歪なものかもしれないが、カリスマである事には違いない。
「正直言ってな。劉邦という名だけで集めるには限界がある。しかしそこにお前の人脈が加わればまさに万全! 覇王? そんなもん一回俺様に負けた雑魚ってものさ」
「おおおお! じゃあ柳司先輩は……」
「当然優勝が見えている。お前が仲間に加わればもはや勝ったも同然よ。どうだ? 俺の誘いに乗るか?」
そう言って、育郎に手を差し伸べる劉邦。
育郎はその手をすぐに握り締めた。
「よっしゃあ! こういう機会を待ってたんだ! 俺はやるぜ!」
「その意気だ! さぁ根回しといくぞ!」
そんな事を言って携帯電話を取り出す劉邦。
しかしそんな彼を見て、意外にもちゃんとルール覚えていた育郎がツッコミを入れた。
「おぉぉい!? 劉邦がそんな事していいのかよ!」
「何? 当然いいに決まっている。清濁併せ持ってこそ真の王なのだぞ? だいたい、俺は勧誘するわけじゃあない。俺が軍を立ち上げたという事を知り合いに連絡するだけだ」
「あぁ、なるほど……じゃあ俺も俺の知り合いに劉邦軍の副将になったって連絡する事にするぜ!」
屁理屈紛いのことを言う劉邦だったが、むしろ育郎としてはその部分にアウトロー的な共感を得たらしい。
そうして二人は、それから勧誘タイムギリギリまで知り合いに電話を掛けまくるのであった。
「あ、言い忘れてたが俺は優勝商品に興味ないから、俺の分はお前にやるからな」
「マジで!?」
「ついでに今度お前が満足できるような九鬼メイドとかの撮影会をセッティングしてやる。粉骨砕身の気持ちでがんばってくれ」
「よっしゃあああああ! こりゃもう勝つしかねぇぜ!」
「うむ。気合が入ったようで実に結構」
***
そして16時の勧誘開始タイムからしばらく後。
各軍の大将の元にはぞくぞくとその兵となる生徒たちが集まっていた。
校舎裏に陣取る劉邦と育郎の元にも、かなり多くの生徒たちが集まっている。
その数はおよそ130ほどである。
「流石に、九鬼や源氏の軍程には集まらんか」
既に耳に入ってきた情報では、九鬼の軍は180人の定員を越す人数を集めたと伝わってきているし、源氏軍もまた180人の定員に達したという情報がある。
一度に戦いに参加できる上限は1
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