第18話
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とにかく、その時が来れば俺は本気でお前を相手にする。劉邦の役割として、赤戸柳司と葉桜清楚の為にも、な」
「んはっ! ごちゃごちゃとわけのわからない事を述べおって! だが、貴様が本気で俺に挑もうという事は理解した。その時に貴様が俺の敵に足ると証明したのなら、俺もお前の言葉を改めて聞いてやろうではないか」
「……やっぱり優しいな。お前は」
薄く笑ってそう呟いた柳司の声が聞こえたのか、清楚は心底嫌そうな声で口を開いた。
「ふん! そんな事をお前が言っても気色悪いだけだ!」
「そうか……そうかもな」
「……張り合いが無いとつまらん。俺はもう寝る!」
先に本部の中へと向かっていた柳司を追い抜いて、清楚はその扉に手をかけた。
だがしかし、今度はその背中に向けて柳司の声がかかる。
「今まで色々言わせてもらったが、俺がお前に惚れていないのならどうでもいい話だ。だがもしも、俺までもがお前に惚れたなんて事があったら……」
さっさとその場を去ろうとしていた清楚の体は、彼女の意思に反して動きを止める。
項羽としての彼女の行動を止めたのは、他でもない彼女自身の感情だ。
大人しく言葉を聴くしかなくなった彼女の耳に、柳司の言葉が入り込んできた。
「その時は、劉邦と赤戸柳司、二人分の想いを告げる。せいぜい今から覚悟しておいてくれ……ま、そっちも二人だからあんまり関係無いだろうけどな」
模擬戦復活を謳う立て札が出現したのは、それからたった三日後の事である。
歴史によって定められた運命の戦いが、再び始められようとしていた。
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