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真剣で覇王に恋しなさい!
第18話
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であるのなら、赤戸柳司の誘いは断るなよ」

「!?」

 清楚が驚愕の表情で柳司の方を向き直った隙を突いて、柳司はその手に手紙を掴ませて距離を取った。
 そしてニッと笑いながらダッシュでその場から離れていく。

「じゃあな!」

「おい! どういうことだ貴様! 劉邦!」

「言葉通りの意味だ清楚! 大和君も迷惑かけて悪いな、暴れる清楚は任せたぜ」

 軽く振り返ってそんな事を言いながら、柳司はさっさと校舎の中へと戻っていってしまった。
 そして後には、ぎゃーすか騒ぐ清楚と、それをなんとか宥めようとする大和が残るだけになった。

「覇王様、落ち着いてください」

「ふざけるなよ劉邦! 俺を舐めているのか!」

「……このタイミングで言うとか嫌がらせだろ絶対」

 実際の所、清楚がピンチの所に駆けつけたり覇王の軍師として選ばれたりしている大和に対して柳司がどう思っているかは謎である。
 まぁ、案外あんまり気にしていなかったりするのかもしれないが、それは今の大和には関係の無い事である。
 しばらくして騒ぎ疲れた清楚に、大和は言った。

「決闘するのは禁止されてますし、とりあえず今日は学校の中を見聞しませんか?」

 その後、頭の中がもやもやしている清楚は大和の誘いにのって賭場へ行くが、そこで大失態を演じる事になる。
 しかし、何があっても頭の片隅からデートの誘いの事が離れる事は無かった。
 それは項羽ではなく葉桜清楚としての意思がそうさせるのだろうか。
 もしそうだとすれば……本来ならばこのデートも上手くいっていたのかもしれない。
 だが今の清楚は項羽であり、今の柳司は劉邦だった。






「暮れ沈む夕日、いいものだな。遥か昔の王たる俺たちにふさわしい……なんてな。演出としちゃなかなかだろう?」

「おい、俺は戯言を聞くために来たんじゃないぞ」

 九鬼の極東本部、屋上。
 どういう意図があったかはともかく、その場所に午後六時。
 それが手紙に書いてあった内容だった。
 本当に日時と場所しか書いていなかったらしい。

「デートの誘いに乗ってくれたんだろう?」

「違う! どういう意図なのかを問い詰めに来ただけだ!」

 項羽からすれば恋文を突然渡されても困惑するだけだ。
 劉邦として名乗っておきながら、どうして項羽たる自分にそんなものを渡すのか。
 学校で聞けなかった事を、早く解決したいがためにここに来たのだ。

「ま、そうくるだろうとは思ってたさ……だからこんな場所を選んだわけだが」

 柳司の方も最初から大人しく誘いに乗ってもらえるとは思っていなかったようだ。
 それでも少しくらいは期待していたかもしれないが、話があるから呼び出したかっただ
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