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真剣で覇王に恋しなさい!
第三部 王の帰還
第16話
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ぎだと思うが、確かにそうだったな。
 間違ってはいないさ、今だって自分の力不足を感じているのは確かなんだ。

「俺は戦うなんてすごく苦手だったんだよ。昔は」

『そうだったんですか?』

「あぁ。でも、守りたい奴がいるなら自分が強くないと話にならないだろう?」

 だから強くなったんだ。
 清楚を守るために。
 それが一番最初の理由だった。

「が、見たとおりだ。清楚は俺よりもずっと強くなった。もう俺じゃ止められない。止めてやれない」

『…………』

「もちろん止めるべきだとも思うが、同時に思ってしまったんだよ。もう俺はいらないんじゃないか、とな」

『はぁ〜』

 アイエスが呆れるような声を出して、そのボディにセットしておいた内臓武器を俺に向かって放り投げた。
 咄嗟にかわして、目の前に刺さる短刀に目を見張っている俺にアイエスが言った。

『マイスター、あなたはやっぱりとんでもなく馬鹿だったようですね』

「いきなりどうした」

『ついでに言うと臆病すぎます』

 さらに武器を射出。
 脇差サイズの抜き身の刀が俺の足元に突き刺さる。

「さっきからゴチャゴチャ言ってましたが、結局は逃げてるだけじゃねーですか! チキンって言われても仕方ねーですよ!」

「なんだと……!」

『やりたい事やるって事ができねーんですか! そんな鬱陶しいマイスターなんて乗せたくねーですよ!』

「…………」

 アイエスの目には、俺はそのように映っていたらしい。
 だが、ずっと逃げていたのも事実だ。
 ……あぁ。それが真実なのかもしれない。
 よく考えてみろよ、俺。なんで気が付かなかった?
 自分の事すらまともに知る事ができない奴が、他人の事にまで気を回すなんて事ができるわけがないじゃないか。

「……ありがとな」

『え?』

「なんでもない。さぁ、そろそろ行くぞ」

 俺は道路に刺さる武器を全て回収してからアイエスへと飛び乗った。

『行き先は?』

「九鬼本部だ。いい加減、自分の事に決着をつける事にする」

 清楚に再び会うのは、その清算を済ませてからだ。

『了解です! マイスターの事を爪楊枝の先っぽくらいは見直しました!』

 辛辣な中にどこか優しさの篭るアイエスの声を聞きながら、俺はその場を後にした。






「やっと来たのかい。ずいぶんと時間がかかったじゃないか」

「すまない。だが、もう覚悟は決まった」

 俺は九鬼本部に着いた後、まっすぐにマープルの元に向かった。
 どうやら、マープルも俺が来るのを待っていたらしい。

「随分とマシになったじゃないか」

 自分ではわからないが、俺の顔を見たマープルが
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