暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で覇王に恋しなさい!
第15話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いるそのバイク、破壊させてもらおう」

「させると思うか?」

『ていうかマイスターが負けたら私に被害が及ぶ前に妨害電波は止めますから』

「……バラすなよ、おい」

 なかなか物分りのいいバイクだ。俺に対峙する時点で頭が回るとは言い難いがな。

「しかしなんだその武器は。『青竜偃月刀』だと? お前にはとても合っているとは言い難いぞ!」

「他にもいろいろあるが、そっちの武器に合わせただけだ」

 先ほどから奴が持っていた武器。偃月刀の刃に施された青竜の紋様からして、それは青竜偃月刀だった。
 しかし愚かな選択をしたものだ。
 俺には、奴が武器の訓練をした事が一度も無いという記憶があるのだから。

「選んだのは貴様だ。さぁいくぞ!」

 一息に近づき方天画戟を振るう。
 風を切り裂き大地を砕くその一撃は……

「うぉおおっ!」

 柳司が全力で振るった青竜偃月刀によって相殺された。
 俺がダメージを受けていたとはいえ、僅かに押されながらも一撃を受けきったことは評価しよう。
 自己強化技がどの程度のものかはわからんが、かなり身体能力が水増しされているようだ。

「……いや、どちらかと言うとこの感じはあれだな。お前自身の力を増幅させているのではなく、他から力を持ってきているのか」

「流石にバレるのも早いな。ずっと一緒に過ごしてきたんじゃ当然だが、戦いにおけるセンスが違いすぎる……!」

 なにやら勝手に悔しがっているようだが、俺は褒めてやっているのだぞ?
 周囲のエネルギーを利用してまで勝とうというその心意気にな。

「まぁ俺は細かいことは気にしないタイプだからな。お前がどんな事をしようと関係ない」

 それら総てを飲み込んでこその覇王だ。
 故に――

「勝つのは俺だ!」

 青竜偃月刀を構える柳司に向けて、方天画戟を用いた十数回の乱打を叩き込む。
 最初の数回は防げていた柳司だが、結局は防ぎきれずにバイクに向かって吹き飛んだ。

「……この程度か」

 思わず落胆のため息がでる。
 先ほどまで感じていた力の波動は感じない。
 楽しめそうだと思ったのにこの肩すかしは流石にいただけんぞ。
 そう思う俺の前で、青竜偃月刀を支えにしてよろよろと柳司が立ち上がる。

「まだだ……!」

「……む?」

「まだ終わっていないっ! おおおおおおっ!!」

 妙な事が目の前で起きていた。
 雲散霧消した柳司の気が、再び回復し始めている。
 しかも、先ほどの比ではないほどに強大な気配も感じられる。

「なんだ?」

 確かに先ほどまでも赤く光る気を鎧のように纏ってはいたが、今度は規模が違う。
 しかも全身に薄く光らせるだけだったそれは、明らかな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ