第15話
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いるそのバイク、破壊させてもらおう」
「させると思うか?」
『ていうかマイスターが負けたら私に被害が及ぶ前に妨害電波は止めますから』
「……バラすなよ、おい」
なかなか物分りのいいバイクだ。俺に対峙する時点で頭が回るとは言い難いがな。
「しかしなんだその武器は。『青竜偃月刀』だと? お前にはとても合っているとは言い難いぞ!」
「他にもいろいろあるが、そっちの武器に合わせただけだ」
先ほどから奴が持っていた武器。偃月刀の刃に施された青竜の紋様からして、それは青竜偃月刀だった。
しかし愚かな選択をしたものだ。
俺には、奴が武器の訓練をした事が一度も無いという記憶があるのだから。
「選んだのは貴様だ。さぁいくぞ!」
一息に近づき方天画戟を振るう。
風を切り裂き大地を砕くその一撃は……
「うぉおおっ!」
柳司が全力で振るった青竜偃月刀によって相殺された。
俺がダメージを受けていたとはいえ、僅かに押されながらも一撃を受けきったことは評価しよう。
自己強化技がどの程度のものかはわからんが、かなり身体能力が水増しされているようだ。
「……いや、どちらかと言うとこの感じはあれだな。お前自身の力を増幅させているのではなく、他から力を持ってきているのか」
「流石にバレるのも早いな。ずっと一緒に過ごしてきたんじゃ当然だが、戦いにおけるセンスが違いすぎる……!」
なにやら勝手に悔しがっているようだが、俺は褒めてやっているのだぞ?
周囲のエネルギーを利用してまで勝とうというその心意気にな。
「まぁ俺は細かいことは気にしないタイプだからな。お前がどんな事をしようと関係ない」
それら総てを飲み込んでこその覇王だ。
故に――
「勝つのは俺だ!」
青竜偃月刀を構える柳司に向けて、方天画戟を用いた十数回の乱打を叩き込む。
最初の数回は防げていた柳司だが、結局は防ぎきれずにバイクに向かって吹き飛んだ。
「……この程度か」
思わず落胆のため息がでる。
先ほどまで感じていた力の波動は感じない。
楽しめそうだと思ったのにこの肩すかしは流石にいただけんぞ。
そう思う俺の前で、青竜偃月刀を支えにしてよろよろと柳司が立ち上がる。
「まだだ……!」
「……む?」
「まだ終わっていないっ! おおおおおおっ!!」
妙な事が目の前で起きていた。
雲散霧消した柳司の気が、再び回復し始めている。
しかも、先ほどの比ではないほどに強大な気配も感じられる。
「なんだ?」
確かに先ほどまでも赤く光る気を鎧のように纏ってはいたが、今度は規模が違う。
しかも全身に薄く光らせるだけだったそれは、明らかな
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