第14話
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の方へと向かってきた。
また跳ね返す事もできるが、ただ同じ事をするのでは面白くない。
そんな俺の意を汲んだスイが、砲弾が当たる直前で急加速した。
「よくやったスイ! それにお前たちもなかなか見事だったぞ! 遠慮なく褒美を受けるがいい! やれ!」
「了解いたしました」
応答と共にスイはあずみ達が乗るジープに向けて数十発のミサイルを撃ちはなった。
ジープの爆発と共に叫び声があがり、俺も一度スイを停車して道路に降り立つ。
あずみは三人の中でただ一人逃げおおせていた。
「さすがは、序列一位という所ですね」
「だが、これで終わりだ。お前も眠っているといい」
再びスイから方天画戟を取り出し、こちらを向いて小太刀二刀を構えているあずみにそれを振るう。
しかしまともに当たった手応えがない。
「む、この手応え……分身だな。汚いなさすが忍者きたない」
「無茶苦茶だ……文学少女の面影なんてまるっきり残ってねぇじゃねえか」
だが分身ごとき、残らず叩き斬れば良いだけの話。
なにやら覚悟を決めた表情だが……さぁ、いつまで持つかな?
***
同時刻、川神学園。
再びグラウンドで砂煙を上げた、朱色に塗られた巨大なバイクを前に、生徒たちは驚愕の声を上げていた。
そんな中で更なる驚愕を生んだのは、屋上から飛び降りてきた男子生徒がそれに飛び乗った事。
「成功だったか。呼びかけに応えてくれなかったらどうなる事かと思ったが」
「というかちょっと! なんで私が! 本当にバイクに!」
しかしそれを見ていた生徒達が一番驚いたのは、バイクから発されている声が女のものだった事だろう。
しかも、明らかにビックリした感じで困惑したような感じの声。
一体全体何事なんだと、周りの生徒が思ってしまうのも無理はない。
そんな驚愕の視線を一身に受けつつもそれを無視し、赤戸柳司は己が乗ったバイクに向かって語りかけた。
「俺にAIを作る技術はないからな。仕方がないから九鬼から一時的に借りただけだ」
「ふっざけんじゃねーですよ! 何ですかその滅茶苦茶な理由! というか理由にすらなってねーです!」
「お前だって退屈していただろう? それよりは外を走り回るほうが楽しいと思うが」
赤戸柳司はかなり前からこのバイクの作成を手がけていた。
そして先々週の金曜に見た悪夢に何を感じたのか、本来ならば夏休みの始まるまでに完成させる予定のものを、急ピッチで作業を進めて今週の月曜の朝に完成させたのだ。
しかし、その機体に積むべきAIの用意まではできなかった。技術も時間も足りなかった。
だからこそ、彼は協力を依頼したのだ。
クッキーの開発者であり、その発展型
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