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真剣で覇王に恋しなさい!
第13話
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与えてやらんとならないからな!

「ところで、さっきから隠れて俺を覗き見ている奴がいるなぁ……?」

 誰かは知らんがそちらに向けて覇気を飛ばす。
 すると即座にその気配は学園校舎の屋上から離れて行った。

「なかなかの気配だったが……敵前から逃げるような弱者など、俺が追ってまで仕留める価値は無い!」

 己の力不足を察しながらも向かってくる雑魚の方が、根性があるだけまだマシだ。
 そう……今まさに俺の前に展開しつつある川神学園の生徒どものようにな!

「んはっ! 面白い、面白いぞ! だが雑魚が何百人かかってきたところで、俺には傷一つ付けられぬ!」

 竜巻を発生させるかのような方天画戟の一撃で以って、全員まとめて吹き飛ばした。
 温い……温過ぎるぞ川神学園! 思わず欠伸が出てしまうほどにな!

「葉桜君、これは……」

「ん? おぉ、京極か。俺の正体は西楚の覇王だったぞ。どうだ感想……つっ!?」


「ん……私は大丈夫だよ、京極君」


「……む、今何か口走らなかったか?」

「いや……どうやら君は君のままのようだ。ノビノビ暴れているようで実に結構」

 京極の態度は俺が目覚めていなかった頃と変わらなかった。
 それでこそ京極だ。そう言うだろうと思っていた。

「時に、赤戸君はどこに?」

「あいつなら屋上だ。生意気にも説教をしてきたのでな。少し眠らせてきた」

 そう言って、屋上の方へ意識を向ける。
 気配はまだそこにあるが……アイツはやっと目を覚ましたようだ。
 先ほどよりも更に強い意志の力を感じ取れる。

「だが、あらかた片付けると流石に暇だな。俺はスイと共にドライブをしてくる事にする。準備は出来ているな、スイ!」

「もちろんでございます。いつでも出発は可能です」

「そういうわけだ。では行ってくるぞ!」

 俺は一先ず方天画戟をスイの中に収納し、軽く地面を蹴ってスイに飛び乗った。
 前の姿には無かった力強い鼓動を感じる、流石は俺の相棒だ。

「一般人に害を及ぼしてはいけないぞ」

「ははははは! わかっている!」

 京極の言葉に一言応え、俺は学園の外へと飛び出した。

「素晴らしいスピードだ。存分に走れる場所へと移動するぞ!」

「はい。清楚の仰せの通りに」

 言葉を返したスイは更にスピードを上げ、どんどん学園から離れていく。

 ――途中、俺とは逆に学園へと向かう朱色の車両とすれ違った。
 乗り手の姿は無し。その速度は今スイが出しているものと比べても遜色がない程のものだ。
 おそらくは柳司がずっと作っていた物。近頃休みの度に引きこもってばかりだったおかげか、既に完成していたらしいな。

「面白い。話は後だと言った
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