第13話
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凡夫には無い輝きがある。
「なかなかの腕前だな! 俺に仕える事を許すぞ!」
「お断りします!」
「なんだと!? 王の誘いを断るとは、貴様! 断罪してやる!」
愚者への裁きを下すべく、俺は己が相棒へと向けて呼びかける。
「スイ! 俺の所に今すぐ来い! やれんとは言わせんぞ!」
「え?」
天に向けて放った俺の声に応え、スイスイ号は猛烈なスピードで遠くの九鬼極東本部から疾走してきた。
そして咄嗟に避けた黛由紀江のいた場所を横切り、スイは俺の前で
急停止する。
「これが俺の相棒であるスイスイ号の真の姿だ!」
「皆様、このような場ではありますが、改めてよろしくお願いします」
ただの電動自転車だったスイの姿は、無骨で巨大なバイクの姿へと変貌している。
俺に合わせた姿に変えてきたようだ。
「俺の覚醒に合わせてお前も目覚めたようだな」
「はい。武器をご所望ですか?」
「うむ、呂布の武器で行く。方天画戟を出せ」
俺の言葉を聴くや、スイはそのボディから方天画戟を突出させ、俺はその柄を掴み取った。
うむ、俺自身の武器では無かった筈だが手に良く馴染む。使い方もよくわかるぞ。
「目覚めたばかりなのに使いこなしている……?」
「んはっ! 俺の頭脳の冴えと言えるだろうな!」
「いえ、睡眠学習の賜物かと」
な、なんだと? むむ……それは格好悪いな。
「とりあえず今は前の敵に集中してください」
「おぉ、そうだったな」
「……っ!」
軽く方天画戟を振ってから黛に突きつける。
臆したか?
せいぜい保たせてみるがいい。
「くらえぃっ!」
「……速い!」
試し運転とばかりに方天画戟を軽く振り回してみれば、黛は機敏な動きでそれを避ける。
まだ俺も本気ではないがやはりいい動きだ。だというのに俺に仕えるを良しとしないとは愚か者め。
「んはっ! 避けるな避けるな、そらそらそらァ!」
反撃に転じることなくただひたすらに避け続ける黛。
「どうした! 避けてばかりではつまらんぞ!」
一向に攻撃してこない黛に苛立ち紛れの一撃を放つ。
すると突如、目を光らせた黛が回避しながらの斬撃を放った。
狙いは顔。
「なかなかいい一撃だったが……覇王と常人を同じ尺度で測るとは愚かだったな!」
「そんな……歯で!?」
俺は高速で放たれた黛の剣を歯でがっちりと噛む事で受け止めた。
真剣は不味いな。鉄の味がする。
「この味は嫌いだっ!」
「ぐ……はっ……」
黛を蹴り飛ばし、俺は近くにいた小猿のようなカメラを携える程度に撮影を促す。
俺の勇姿に憧れる民には多少の恩恵も
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