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真剣で覇王に恋しなさい!
第12話
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項羽が目覚めた時の事を思い出していた。
 あの時に一度、赤戸柳司には項羽を止めた実績があるのだ。
 正体をバラす事で赤戸柳司が本来の力を発揮できるようになれば、まるで同じようにとは行かずとも、元の鞘に収まるはず。
 マープルの頭にはそんな考えも存在していた。

「いっその事さっさとくっついちまえば暴走しなかったかもしれないねぇ」

「それはそれで覚醒した時に問題があるとは思いますが」

 確かに。
 互いの正体を考えれば、桐山の意見も妥当だった。

「とにかく、今回の事はトラブルが川神学園の外に出るまで従者部隊はノータッチでいくよ」

「いつでも動けるように通達しておきます」

 あの覇王が、いつまでも学園の中にとどまっているはずが無い。
 それが簡単に予想ができるが故の桐山の発言だった。

 彼らが九鬼の本部から『二台』の車両が飛び出していったという報告を受けるのは、それからすぐ後の事である。




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