第12話
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その必要はない! 俺は目覚めたばかりで力に満ち満ちている! このまま日本を落としてくれよう!」
『馬鹿を言うんじゃないよ。さっさと帰ってきな』
「この俺に馬鹿だと!? いくらマープルでも許さんぞ! 俺は馬鹿じゃない、断じて馬鹿じゃないぞ!」
『別に許してもらわなくても構わないね。これが最後の警告だ。帰ってきな』
帰ってこい帰ってこいとうるさいな。
俺が帰ったらそれから何をするつもりだ?
『新しく教育カリキュラムを練り直さなきゃならないからね。ちゃんと勉強してもらうよ』
「何だと? 勉強? そんなものは自分の名前が書ければ十分だろう!」
『……こりゃ、話が通じそうに無いね。その鼻っ柱を折る必要もありそうだ』
なんだと?
『川神学園の皆、よーく聞きな! 3年S組の葉桜清楚が暴走した。彼女を取り押さえたものにはあたしの私財から報酬を出すよ! 九鬼の従者部隊序列二位のマープルが確約するさね!』
「……んはっ」
面白い。力ずくで俺を連れ帰るつもりか、マープル。
しかも王を賞金首にするとはな。
普通なら投獄を越して処刑だが許してやろう。百代一人では肩なら師にもならなかったところだ。
「川神の戦士達よ、遠慮せず俺に挑むといい。武にて語ろうぞ!」
戦えぬ者をまた一人プールへと放り投げ、俺は目の前の戦士達に覇気を飛ばす。
見事それに耐えてのけた戦士達に俺を挑む資格を認め、その三人を含めた学園全体に向けて宣言する。
「さぁ来るがいい! そして覇王の威光を刻み込め!!!」
***
葉桜清楚が項羽である。
この事実を川神にいる腕利きたちに流すよう指示した後、マープルは軽くため息を付いた。
本来の予定とは大幅にずれてしまった事もそうだが、それはもう項羽の強さを顕示するデモンストレーションを行うという事に切り替えている。
問題は、屋上で一度ノックアウトされた赤戸柳司の事。
「やれやれ、こんな事ならさっさと正体バラしといた方が良かったかもねぇ」
「まぁ、今の彼の実力では到底項羽には太刀打ちできないでしょうからね」
マープルの言葉に同意を示すように、彼女の前に立つ九鬼従者部隊序列42位の桐山鯉もそう告げる。
彼は赤戸柳司がヒューム・ヘルシングに模擬戦と称して月に一、二回ほど鍛錬をつけてもらっているのを知っている。
故に、項羽の強さの足元にも及ばない事はよくわかっていた。
「ま、柳司がどれだけ食い下がるかはよしとして。明日あたりには柳司にも正体をバラしとこうかね」
「よろしいのですか?」
「元々は抑止力の予定だったんだ。何も問題なんかありゃしないよ」
マープルは、昔に一度だけ
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