第10話
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げると、みんなは驚いた様子で納得してくれた。
「なるほどねぇ……そりゃあ確かに気になるな」
「不自然なほどに力があれば、不安にもなるでしょうね」
同意の声が上がる中、私は最後まで言葉を続けた。
「私は、自分の正体を知って安心して読書をしていたいの」
そして私のために自分を抑えてくれた柳司くんにも、素直になってもらいたい。
それが私の依頼。
「ちょっと聞きたいんですけど、これ調べたら九鬼に怒られたりしませんよね?」
「うん。私が余計な事してないで勉強しろって言われるぐらいだと思うよ」
一年の……確か、武蔵小杉ちゃんの質問にそう答える。
マープルには少し怒られるかもしれないけど、別に禁止されているわけじゃないもの。
自主的に動く分には、きっと認めてくれるはず。
「さぁ、頼み料は食券50枚からだヨ! 張った張った!」
質問がもう無いと判断したルー先生の声に一番最初に反応したのは、私の知っている人だった。
トンネルを通って学校から帰る途中、柳司くんに今日の事について聞かれた。
なんだかんだ言っても、やっぱり気にしてくれているみたい。
「依頼はどうなったんだ? 知ってる奴か?」
「うん。柳司くんも知ってる人だよ。風間翔一くん」
「あぁ……あいつか。あのグループのリーダーだったな。信頼できそうだ」
そう言って、柳司くんは安心した様子でうんうんと頷いていた。
あの時、ルー先生が皆に言葉をかけてすぐ、風間くんがたった9枚の食券で依頼を受けると名乗りを上げた。
それによってすぐに誰が依頼を受けるかが決まってしまったのだ。
明日には、モモちゃんを含む風間ファミリーの人たちを顔を合わせる事になっていた。
「明日が顔合わせか。まぁ、既に知り合ってるから問題ないだろうが……」
「うん。きっと大丈夫だと思う。皆いい子だったから」
「それに、有能だ。案外早く見つかるんじゃないか? 清楚の正体もさ」
柳司くんにしては随分とやけに高い評価だと思ったけど、話を聞いている限りでは結構話したりした事があるみたい。
クリスちゃんと決闘していたのは知ってたけど、他の子達とも一緒に遊んだりして仲良くしていたんだとか。
たぶん私が図書室に篭っている間なんだろうけど、誘ってくれても良かったのに。
「悪かった。今度は皆で一緒に遊ぼう。それならいいだろ?」
「私は別に気にしてないよ?」
「いや、間違いなく気にしているだろう。そんな気配がわからないとまでは言うつもりは無いぞ」
「そ、そんなに?」
「あぁ、そんなにだ」
今日の柳司くんは珍しく饒舌な気がする。
何か良い事でもあったのかな?
「あぁ、と
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