暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で覇王に恋しなさい!
第10話
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
げると、みんなは驚いた様子で納得してくれた。

「なるほどねぇ……そりゃあ確かに気になるな」

「不自然なほどに力があれば、不安にもなるでしょうね」

 同意の声が上がる中、私は最後まで言葉を続けた。

「私は、自分の正体を知って安心して読書をしていたいの」

 そして私のために自分を抑えてくれた柳司くんにも、素直になってもらいたい。
 それが私の依頼。

「ちょっと聞きたいんですけど、これ調べたら九鬼に怒られたりしませんよね?」

「うん。私が余計な事してないで勉強しろって言われるぐらいだと思うよ」

 一年の……確か、武蔵小杉ちゃんの質問にそう答える。
 マープルには少し怒られるかもしれないけど、別に禁止されているわけじゃないもの。
 自主的に動く分には、きっと認めてくれるはず。

「さぁ、頼み料は食券50枚からだヨ! 張った張った!」

 質問がもう無いと判断したルー先生の声に一番最初に反応したのは、私の知っている人だった。



 トンネルを通って学校から帰る途中、柳司くんに今日の事について聞かれた。
 なんだかんだ言っても、やっぱり気にしてくれているみたい。

「依頼はどうなったんだ? 知ってる奴か?」

「うん。柳司くんも知ってる人だよ。風間翔一くん」

「あぁ……あいつか。あのグループのリーダーだったな。信頼できそうだ」

 そう言って、柳司くんは安心した様子でうんうんと頷いていた。
 あの時、ルー先生が皆に言葉をかけてすぐ、風間くんがたった9枚の食券で依頼を受けると名乗りを上げた。
 それによってすぐに誰が依頼を受けるかが決まってしまったのだ。
 明日には、モモちゃんを含む風間ファミリーの人たちを顔を合わせる事になっていた。

「明日が顔合わせか。まぁ、既に知り合ってるから問題ないだろうが……」

「うん。きっと大丈夫だと思う。皆いい子だったから」

「それに、有能だ。案外早く見つかるんじゃないか? 清楚の正体もさ」

 柳司くんにしては随分とやけに高い評価だと思ったけど、話を聞いている限りでは結構話したりした事があるみたい。
 クリスちゃんと決闘していたのは知ってたけど、他の子達とも一緒に遊んだりして仲良くしていたんだとか。
 たぶん私が図書室に篭っている間なんだろうけど、誘ってくれても良かったのに。

「悪かった。今度は皆で一緒に遊ぼう。それならいいだろ?」

「私は別に気にしてないよ?」

「いや、間違いなく気にしているだろう。そんな気配がわからないとまでは言うつもりは無いぞ」

「そ、そんなに?」

「あぁ、そんなにだ」

 今日の柳司くんは珍しく饒舌な気がする。
 何か良い事でもあったのかな?

「あぁ、と
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ