第二部 自分探し
第9話
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
早く彼に元通りになってほしいという思いはあるからね」
京極くんはそう言って私から離れていった。私も、自分の手元にある本に視線を落とす。
私はどうしたいのだろう。さっぱりわからなかった。
でも、答えは出さなきゃいけない。私のためにも、柳司くんのためにも。
私にできるのは、考えることだけだ。
でもその答えに、思わぬ所でふと気付いてしまった。
放課後、図書室の窓から見えたもの。
クラスメイトの人じゃない、私の知らない皆と一緒になって第二グラウンドで遊ぶ柳司君の姿があった。
今までには、九鬼の従者さんたちに色々絡んでいた時だってしなかった、とても晴れ晴れとした顔で笑っていた。
新しい生活が始まってまだ一週間。
与一くんは変わったし、私だって変わってる。
だから柳司くんも、今まさに変わっているのかもしれない。
そうして悩んでいるのだとしたら、きっと私が出る幕じゃない。
そうだよね? 柳司くん。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ