第6話
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予想以上の速度の刺突を続けて放たれ、俺は防戦一方になる事を強いられていた。しかもクリスは軽い動きで動き回るため、猛攻の合間を縫って攻撃しようにもなかなか当たりそうにはない。
20cm以上ある身長差からのリーチを生かそうにも、クリスの武器の分を考えれば逆にこちらが不利だろう。
今の所は急所以外の場所で受けるか勘で避けるかをして凌いでいるが、クリーンヒットを受けるのも時間の問題か。
「手を出してこないと自分には勝てないぞ!」
手を出すのが難しい程の猛攻をしておきながらよく言ったものだが、正論には違いない。守ってばかりでは勝てはしないのだ。
だがそろそろ一分だ、クリスの攻撃にも慣れてきた。
大方、義経と他の生徒たちの戦いを見てヒートアップし、かなり攻撃的になっているのだと思うが、それが仇になったな。
俺は、胸より少し下あたりで防御の為に構えていた腕を肩の高さまで上げていく。
すると攻撃の手が止まり、クリスは少しだけ距離を取った。
「やっと動くのか?」
「あぁ。俺はここから反撃するが、それを受ける覚悟はあるか?」
「当然だ。騎士は真っ向から迎え撃つ!」
再び距離を詰めたクリスは、俺に向かって鋭い一撃を放った。
しかし、散々に体で受け止めた攻撃だ。
既にタイミングもスピードも、今からやる行動が失敗した時のリスクも想像が付いている。
だから迷わず冷静に行動した。
「何っ!?」
クリスが驚愕の声を漏らした。
多数の経験と無限の耐久と最高の第六感を全て有効に活用し、俺はクリスがレイピアを引き戻すよりも早く、その刀身を右手で握り締めていた。
細い刀身だが、俺が普段扱っている物に比べればそうでもない。クリスの力では絶対に取り返せない力で、俺はレイピアの刀身を握り締める。
掴み取る際、一瞬無防備になった左肩に一撃を受けたが、予想できていた上にこのダメージなら何も問題ない。
もしクリスに次の手が無いのなら、ここから俺が攻撃して決闘も終わるだろうが――
「まだだ!」
そう叫んだクリスは、俺が掴んでいるレイピアに更なる力を込めた。
しかも引き戻す方向への力ではなく、更に前方へと全体重を乗せて。
「零距離刺突!」
俺がレイピアを掴むと同時に、体を捻って力を貯めていたのか。
先ほどまでのクリスとは打って変わって、かなり力任せで強力な一撃が放たれた。
……もしもっと冷静になる事ができていればとは思うが、一応はそれも狙い通りだ。勝てる時に勝たせてもらおう。
だいたい、いくら至近距離からの強力な一撃だといっても、それで俺が好機を逃すはずがない。ちゃんと自身を制御する事ができる俺なら、攻撃を受けたくらいで掴んだ好機を逃す事は在りえない。
体を制
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