第5話
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は思いの他紳士的でかなり優秀だ。
これなら俺も取り付けるべきなのかもしれないな。
少しだけ足を速めた俺と清楚は、数分するかしないかの内にトンネルを抜け、自転車にまたがった。
それからしばらく後。
「リンリンリーン♪」
清楚は風を浴びながら登校するのに随分とご機嫌な様子で、鼻唄まで歌いながら自転車をこいでいた。
俺は静かに風を感じる方が好きだが、清楚の声と思うとこれもまたいいものだ。
案外、俺の正体はこういう何かに乗って駆けるという事に関係しているのかもしれないな。
「って、なわけないか」
「リンリーン……柳司くん? どうしたの?」
「いいや、なんでもない。そのまま続けてくれ」
馬乗って駆け回ってた英雄なんていくらでもいるし、だいたい俺は馬よりもバイクの方が好きだ。
またいつか、九鬼の執事が持ってたバイクを弄くらせてもらいたいな。
真面目に授業を受け、偶に来る生徒の質問に答えたりしている間に放課後になった。
清楚は昼休みの時と同じく図書室に行ってしまい、しばらく後で俺と合流してから帰る事になっている。
昼休みの時は俺も一緒に図書室に行ったのだが、清楚は昨日の時点で既にその図書室に目を付けていたようで、夢中になって本を読み耽っていた。きっと今も時間を忘れて本にのめりこんでいる事だろう。
で、別行動をする事になった俺はグラウンドへと向かっていた。
理由はもちろん、グラウンドにて決闘を申し込んできた生徒達と戦う義経を応援するためである。
「しかし、随分と人が多いな」
義経という名前の人気故だろう、その決闘を観戦している生徒は随分と多かった。
グラウンドで戦う義経の戦いぶりも良く、相手の放つ全ての攻撃を軽々と避けながら鋭い一撃を放って決着を付けるという、実に華麗な動きを見せていた。
どうやら義経が相手を倒すたびに、また次の相手が観客たちの中から進み出て決闘を行うらしい。
「弁慶と与一はいないのか……面倒だからって逃げたんだな」
戦う事で友情が芽生えるなんていう面倒くさいのは二人とも好きではなさそうだが、そこは妥協するべきところではないのだろうか。
とりあえず、俺は槍使いの生徒との決闘に勝利して一段落している義経に声をかける事にした。
「義経、随分と忙しそうだな」
「ん……? あっ、柳司先輩!」
俺を見た途端、少し疲れを見せていた義経の顔が笑顔に変わった。
先輩と呼ばれるたびにむず痒いから本当はやめてほしいんだが、それはそれ、これはこれだ。
「先輩も誰かと決闘をするのか?」
「いや、暇だったからな。観戦に来たんだ」
「そうなのか? それはもったいないな……あんなに強いのに」
義経に強いと
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