第4話
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「それに、モモちゃんだって変な事はしなかったと思うよ?」
「だが俺の勘は当たる。それに邪な気配も確かに感じた」
「…………」
「悪かった……女性相手に言いすぎたし、あまりに一方的な結論の出し方だった」
清楚は普段から笑顔でいる分、黙って見つめられると何とも不思議な迫力がある。
思わず反論した俺だが、それをされるとどうにも逆らえない。
だが、そうして再び頭を下げた俺に向かって、清楚は先ほどまでとは打って変わって穏やかな笑顔を向けた。
「でも、ね」
「?」
「結構、かっこよかったよ。ありがとう、柳司くん」
「……それほどでもないさ」
思わず見惚れてしまうような笑顔を向けられて、俺は視線を逸らしながらそんな事を言うくらいしかできなかった。
清楚とはもう長い付き合いになるはずなのに、どうして未だに慣れる事ができないのだろう。
しかも最近は特にむず痒い感覚がするし、これが俺の心の鍛錬が未熟だからだとすれば、師に笑われるな。
「じゃあ、明日からはモモちゃんとも仲良くしてね?」
しかし清楚がそんな事を言って俺の時は止まった。
正直言ってあの川神百代と俺は仲良くなれるとは思えないからだ。
もちろん、完全に諦めるというつもりもないし、努力はするつもりだが。
「……善処はするさ」
「モモちゃんはいい子だよ?」
「しかし、あのままなら川神百代は清楚の胸や尻を触っていたに違いなないだろう」
「〜〜っもう! 柳司くんは考えすぎだよ!」
「しかしあいつの視線は確かにお前の腰あたりに――」
……その時何かが起きた、のだと思う。
俺があんまりしつこかったために清楚が何かをしたのだろうが、俺自身はよく覚えていないのだ。
せいぜい覚えている事といえば、全身に感じた衝撃と体が吹き飛ぶ感覚、それに赤くなった清楚の顔くらいである。
翌朝には清楚の機嫌も良くなっていたが、一体何があったのだろうか。
俺にはわからなかった……
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