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真剣で覇王に恋しなさい!
第3話
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「それじゃ、これからよろしく」

「うむ。よろしく」

 今頃は義経たちも2−SでHRに参加している頃だろうか。
 少し心配だが、きっと大丈夫だろう。俺のような奴でも友達ができたのだから、義経たちも大丈夫に決まってる。
 ……与一も含めて大丈夫だといいんだが、こればかりは俺がどうこうする事でも無いか。



 放課後。
 やっぱり気になったので、俺は清楚を連れて義経たちの様子を見に行く事にした。
 廊下を歩いている間もかなり視線を集めてしまっているが、それは主に清楚の人気の高さゆえだろうな。
 悪人顔の俺なんか、通りすがった女子生徒に目を向けただけで視線を逸らされたし。

「義経ちゃん達、大丈夫かな?」

「義経は性格から可愛がられるだろうし大丈夫だとは思うが……」

 問題は与一だからな。本人が照れ屋で人と距離を置きたがっているから、ちゃんと友人を作れているかどうか。
 趣味の合う奴でもいれば良いんだが……

「っ! あなた達は……!」

「……なんだ?」

 2−Sの教室の直前で、俺達は赤い髪の見るからに軍人っぽい女に道を塞がれて動きを止めた。
 ここにいるという事は生徒なのだろうが、明らかに学生という年齢を越えていると思う。

「すいません、あなた達なら止める必要はありませんでした。どうぞ通ってください」

 しかしどうやらその女は、俺達を止めるつもりはないらしい。
 すぐに脇にどいて、教室に入るように促した。

「……どうしたのかな?」

「あんまり人が集まってくるから規制でも掛けてるんじゃないか? 義経ってかなり人気みたいだし」

「ふーん……あっ!」

「おっと」

 そうして俺が清楚と軽く雑談しながら2−Sへ足を踏み入れようとした時、突然に教室の戸が開いて、中から与一と知らない女子生徒一名が飛び出してきた。
 しかもよりにもよって清楚に向かって突っ込む形になっていたので、俺は咄嗟に清楚の前に出て飛び出してきた与一を右手で受け止め、与一の前に回りこむように迂回してきていた白い髪の女子生徒を、猫の首の後ろを掴むように左手でキャッチした。

「ありがとう、柳司くん」

「気にするな……で、どうして突っ込んできたんだ与一、そして……君はなんて名前だ?」

「ユキだよー。榊原小雪だよー」

「そうか。とにかく二人とも、急に廊下に飛び出すのはマナー違反だと思うぞ」

 俺の右手に受け止められてからすぐ飛びのいて驚愕の表情を浮かべる与一と、俺に捕まえられてぶら下がる榊原に向かってそう言った。
 女の子に失礼な行為をしているからだろうか、清楚の視線が痛い気がする。
 そんな状態で道を塞いでいる俺に向かって、与一は随分と必死そうな声で口を開いた。


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