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真剣で覇王に恋しなさい!
第一部 川神学園
第1話
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聞き慣れた声が聞こえてきた。

「柳司くん? 起きてる?」

 起床済みかどうかを問いかける声に俺は日記を閉じて窓の方へと目を向けた。
 カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる様子を見るに、いつの間にやら朝になっていたらしい。
 またやってしまった。
 急いで支度をして外に出ると、心配そうな顔の清楚がこちらの顔を覗き込んできた。

「大丈夫? もしかして、また眠ってないの……?」

「あぁ、集中すると眠れないんだ」

「もう……昨日もあんなに言ったのに」

「すまない」

 清楚には本当に心配をかけて申し訳ないが、きっとそういう性分なのだ。昔はそうでもなかったのだが、きっとマープルの英才教育による副作用だ。俺のせいではないはずだ。
 それでもまた注意を聞かなかったことでむくれている清楚に、どう謝るべきだろうか。
 今までも何回言われても直す事ができなかったが、かといって諦めろなんて言うのもできない。きっとそれでも彼女は世話を焼こうとするはずだ。
 一番いいのは俺が徹夜をしないようにする事なんだが、直そうとして簡単に直せるものでも……

「ふふっ」

「ん?」

「そんなに悩まなくてもいいのに」

 どうやら考え込んでいる間によっぽど変な顔でもしていたらしい。
 やはり俺は顔に出やすいんだろうか。それとも清楚が俺の表情を読み取る術に長けているのか……

「今日からは学校だから気をつけてほしいけど、ちゃんと朝には起こしてあげるよ?」

「いや、流石にそれは俺の方が恐縮するんだが。というかそれなら九鬼の従者さんたちに頼んだって――」

「はいはい。それならちゃんと夜は寝るようにね。何なら眠るまで見ていてあげようか?」

「……いやっ! それは困る!」

 その仕打ちはあんまりにあんまりだ。
 あまり褒められたものではないが、薬でも貰うべきだろうか。
 それとも……と、俺が再び思考の渦にはまりかけた所で、清楚に腕を引かれて我に帰った。

「ほら、義経ちゃんたちも待ってるかもしれないんだから。今はご飯にしよう?」

「わかった。とりあえず対策は後で考える」

 みんなに迷惑をかけるわけにはいかないからな。
 まずは朝食、その後に……その後は川神学園で転入で色々忙しいんじゃなかったか?

「なぁ」

「ん、なに?」

「……いや、なんでもない」

「?」

 一度問いかけた俺だったが、清楚の顔を見て気が抜けた。
 流石に朝から俺の事で色々世話をかけているのだから、これから朝食という時にまたごちゃごちゃと問うのはナンセンスだろう。
 今更ではあるが、ここは大人しく。本当に余計な事は考えないようにして朝食に向かおう。

「おはよう柳司先輩! 清楚先輩も
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